『#マンホール』鑑賞前に観たいシチュエーション・スリラーまとめ。熊切和嘉監督が中島裕翔に勧めた意外な一本は?
Hey! Say! JUMPの中島裕翔が、結婚式前夜のサプライズパーティの帰り道にマンホールに落下する。これまで日本ではあまり製作されてこなかった“シチュエーション・スリラー”に、『海炭市叙景』(10)や『武曲 MUKOKU』(17)の熊切和嘉監督が挑んだ『#マンホール』が2月10日(金)より公開。本作に備え、熊切監督おすすめのシチュエーションスリラー作品や本作を作る上で参考にした作品などを紹介していこう。
「ライアーゲーム」シリーズなどを手掛けた岡田道尚のオリジナル脚本で描かれる『#マンホール』の主人公は、営業成績ナンバーワンのデキる男・川村俊介。社長令嬢との結婚式前夜、酩酊して不覚にもマンホールの穴に落ちてしまう。穴の底で目を覚ました川村は、思うように身動きが取れず、警察に助けを求めるもまともに取り合ってもらえない。唯一連絡が取れた元カノに助けを求めるのだが、やがて何者かにはめられたのではないかと考えるようになる。
傑作揃いのシチュエーションスリラー。熊切監督のイチ押しは?
「CUBE」シリーズや「ソウ」シリーズ、『[リミット]』(10)や『search/サーチ』(17)など、原作の人気やバジェットの大きさなどに頼ることなく独創的で斬新なアイデアが、作品のおもしろさや興行的な成功にも直結するジャンルとして世界中の映画ファンを魅了してきたシチュエーション・スリラー。なかでも熊切監督がおすすめの一本として挙げるのは、デンマーク映画『THE GUILTY/ギルティ』(18)だ。
『THE GUILTY/ギルティ』の主人公は緊急通報司令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)。ある事件をきっかけに警察官としての第一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど些細な事件に応対する日々を送っていた。そんなある日、彼のもとに一本の通報が。それはいままさに誘拐されているという女性からの通報だった。車の発車音や女性の怯える声、そして犯人の息遣い。かすかに聞こえる音だけを手掛かりに、“見えない”事件の解決に挑んでいく。
音だけでサスペンスを構築するというアイデアが話題を博し、サンダンス国際映画祭を皮切りに世界各国の映画祭で観客賞を相次いで獲得。第91回アカデミー賞外国語映画賞のデンマーク代表として最終選考のショートリストにも選出され、2021年には「イコライザー」シリーズのアントワン・フークワ監督、ジェイク・ギレンホール主演でハリウッドリメイク版も製作されたほど。