祝80歳!マイケル・マン監督の硬派な世界を一気に堪能『ヒート』『パブリック・エネミーズ』、初期の異色ホラーも

映画ニュース

祝80歳!マイケル・マン監督の硬派な世界を一気に堪能『ヒート』『パブリック・エネミーズ』、初期の異色ホラーも

今年2月5日に80歳の誕生日を迎えるマイケル・マン監督。刑事ドラマやクライムサスペンスなど、とにかく硬派な作風で映画ファンから絶大な支持を集めるハリウッドの巨匠は、まだまだ衰え知らず。監督としてプロデューサーとして、映画やドラマシリーズを問わずエネルギッシュに活動を続けている。そこで本稿では、マン監督作品の魅力にひたれる映画5作品を紹介していこう。

1980年代に製作を務めたテレビドラマを映画化した『マイアミ・バイス』
1980年代に製作を務めたテレビドラマを映画化した『マイアミ・バイス』[c] 2006 Universal Studios. All Rights Reserved. Film: [c] 2006 Motion Picture ETA Produktonsgesellschaft mbH & Co. KG and Universal Studios. All Rights Reserved.

1970年代からテレビドラマの脚本家として頭角を現してきたマン監督は、ジェームズ・カーン主演の『ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー』(81)で劇場映画監督デビュー。その後もトマス・ハリス原作の『刑事グラハム 凍りついた欲望』(86)や『ラスト・オブ・モヒカン』(92)など稀代の職人監督として名を馳せ、『インサイダー』(99)ではアカデミー賞作品賞と監督賞にノミネート。近年では日本を舞台にしたドラマシリーズ「TOKYO VICE」を手掛けて大きな話題を集めた。

クリストファー・ノーランにも影響を与えた『ヒート』
クリストファー・ノーランにも影響を与えた『ヒート』[c] 1995 Monarchy Enterprises S.a.r.l. in all other territories. All rights reserved.

そんなマン監督を語る上で欠かせない代表作といえば、やはりアル・パチーノロバート・デ・ニーロの二大スターが共演した『ヒート』(95)。ロサンゼルスを舞台に、強盗団を率いるニールと彼らを追う刑事のヴィンセントの熾烈な攻防を描くアクション大作であり、圧巻の銃撃シーンと緊迫感に満ちたニールとヴィンセントの対峙シーンなどはいまでも語りぐさになっているほど。クリストファー・ノーラン監督が『ダークナイト』(08)を手掛ける際に同作を参考にしたというのも有名な話だ。


ウィル・スミスがモハメド・アリを演じた『ALI アリ』
ウィル・スミスがモハメド・アリを演じた『ALI アリ』[c]2001 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

そしてウィル・スミスを主演に迎えて伝説のボクサー、モハメド・アリの半生を描いた『ALI アリ』(01)で一気に巨匠としての風格を携えると、自身が製作を務めた人気ドラマをコリン・ファレルジェイミー・フォックスの共演で映画化した『マイアミ・バイス』(05)や、伝説のギャングとして知られるジョン・デリンジャーの生き様をジョニー・デップ主演で描いた『パブリック・エネミーズ』(09)と、ヒット作を連発しながら絶対的な世界観を確立していく。

ジョニー・デップがジョン・デリンジャーに!『パブリック・エネミーズ』も必見
ジョニー・デップがジョン・デリンジャーに!『パブリック・エネミーズ』も必見[c]2009 Universal Studios. All Rights Reserved.

今回、マン監督の80歳の誕生日を記念して洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」では、『ヒート』と『ALI アリ』、『マイアミ・バイス』と『パブリック・エネミーズ』、そしてカルト的人気を誇るキャリア初期の異色ホラー映画『ザ・キープ』(86)の5作品を、2月5日の15時15分より一挙に放送する。この機会に、硬派でスタイリッシュなマイケル・マン監督の美学をとことん味わってみてはいかがだろうか。

AXNではマイケル・マン監督の原点ともいえるドラマ版「マイアミ・バイス」も放送される
AXNではマイケル・マン監督の原点ともいえるドラマ版「マイアミ・バイス」も放送される[c]1984 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.

また、海外ドラマ専門チャンネル「AXN」では2月1日26時30分より、マン監督がプロデューサーを務めて1984年から放送されたテレビドラマ「マイアミ・バイス」のシーズン1〜3も放送される。1980年代当時一世を風靡した同作には、後々マン監督が手掛ける“漢気”あふれる作品の片鱗が随所にあらわれておりファン必見。映画版の『マイアミ・バイス』と合わせて、是非ともチェックしてほしい!

文/久保田 和馬

関連作品