是枝裕和監督、『マイスモールランド』凱旋上映で嵐莉菜&川和田恵真監督を祝福!「生まれるべきタイミングで生まれた強い作品」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
是枝裕和監督、『マイスモールランド』凱旋上映で嵐莉菜&川和田恵真監督を祝福!「生まれるべきタイミングで生まれた強い作品」

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是枝裕和監督、『マイスモールランド』凱旋上映で嵐莉菜&川和田恵真監督を祝福!「生まれるべきタイミングで生まれた強い作品」

是枝裕和監督が率いる「分福」に所属し、是枝作品などで監督助手を務めてきた川和田恵真監督による商業映画デビュー作『マイスモールランド』が、ベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞の特別表彰をはじめ、国内外の数々の映画賞をにぎわせている。受賞を記念して2週間限定の凱旋上映が行われている新宿ピカデリーでは、2月13日に凱旋上映記念舞台挨拶が開催され、嵐莉菜と川和田監督が登壇。サプライズで是枝監督が駆けつけ、花束をプレゼントした。

『マイスモールランド』凱旋上映記念舞台挨拶が開催された
『マイスモールランド』凱旋上映記念舞台挨拶が開催された

本作は、在留資格を失い、普通の⾼校⽣としての⽇常が奪われてしまった17歳の在⽇クルド⼈の主⼈公サーリャ(嵐)が、理不尽な社会と向き合いながら、⾃分の居場所を探し成⻑していく人間ドラマ。映画初出演にして、初主演を務めた嵐は、山路ふみ子映画賞をはじめ、報知映画賞、毎日映画コンクール、キネマ旬報映画賞など、数々の映画賞で新人賞を受賞した。

女優業は、役を通して様々なことを学べる魅力的な仕事だと語った
女優業は、役を通して様々なことを学べる魅力的な仕事だと語った

凱旋上映という形での舞台挨拶が叶い、嵐は「想像以上の反響があって、受賞することができるというのも想像していなかったこと。評価していただけたことがとても光栄で、こんなに幸せなことはない」と喜びをかみ締め、「再上映も想像していなかった。たくさんの方々が来てくださって、幸せな気持ちでいっぱいです」と会場を見渡して大きな笑顔を見せた。「皆さんの口コミでさらに多くの方に広がっていたことを感じている」という川和田監督は、「この間は高校で上映会の企画をやらせていただいた。自分にできることを考える機会にしたいということで、公開から時間が経ったなかでも、映画をつくって伝えることの大切さや意味を日々感じることができています」と映画の力を実感しているという。

是枝裕和監督がサプライズ登場で花束をプレゼント!
是枝裕和監督がサプライズ登場で花束をプレゼント!

またこの日は、嵐にはサプライズで是枝監督が駆けつけ「おめでとうございます。こんなふうに凱旋で上映していただけることは、なかなかないこと」と祝福。是枝監督が姿を現すと大きく目を開いて驚いた嵐は「本当にびっくりしました。泣きそうになっちゃった」と告白しながら、「釜山(映画祭)で、監督ともお食事を一緒にさせていただいた思い出もある。またお会いできる機会があって、すごくうれしい。ありがとうございます」と感激しきり。川和田は「企画の最初から是枝監督が応援し続けてくれたおかげで、5年以上かかりましたが、実現することができました。心から感謝しています」とお礼を述べた。

是枝裕和監督、川和田恵真監督と嵐莉菜にエール
是枝裕和監督、川和田恵真監督と嵐莉菜にエール

企画会議からここまでの道のりを振り返って「ずいぶん時間がかかったなとは思いましたが」と目尻を下げた是枝監督は、「その時間がかかったことで、この作品が嵐さんと出会えたとも考えられる。作品が動きだすとか、ちゃんと形になるというのは、そういう出会いに恵まれて、生まれるべきタイミングで生まれた強い作品。そういう意味で言うと、この作品は強い、いい映画になった。5年かかってよかったね」とにっこり。

「是枝監督からバラをもらうとは思わなかった」と笑顔を見せた川和田恵真監督
「是枝監督からバラをもらうとは思わなかった」と笑顔を見せた川和田恵真監督

川和田監督が「嵐さんと出会えなければ作れなかった作品」と語るなか、是枝監督は「デビュー作でこれだけ注目を集めるというのは、もちろん作品もすばらしかったし、いろいろな人の縁に恵まれていただいた評価」と分析しながら、「この次だよね。今回の受賞がピークではない形で、この先のキャリアを重ねていってほしい」とこれからの2人に期待。川和田監督は「映画づくりを通して、とても大きなものを自分自身ももらった。どう次につなげていくかを考えていきたいし、まだこの映画を届けたいという気持ちも強く持っている」と意欲をのぞかせた。


あらゆる受賞が「自分のこれからの自信につながっている」という嵐は、「自分はこの作品からたくさんのことをいただいて、人生が変わった大切な作品。ご縁もありますし、たくさんの感謝があります」としみじみ。この日が本作の最後の舞台挨拶になるかもしれないことにさみしさをにじませながら、「また川和田監督とこの場に立てるよう、私も頑張っていきたいなと思っています」と宣言し、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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