リリー・フランキーが“ネタバレあり”で『バビロン』を語る!「ユーモアのなかにチャゼル監督が見てきたハリウッドがある」
『ラ・ラ・ランド』(16)でアカデミー賞監督賞を史上最年少で受賞したデイミアン・チャゼル監督が、ブラッド・ピットやマーゴット・ロビーら豪華キャストとタッグを組んだ『バビロン』(公開中)。1920年代のハリウッド黄金時代を舞台に、富と名声、野心に彩られた映画業界で夢を叶えようとする男女の運命をエモーショナルに描いたダイナミックなエンタテインメントだ。
毎晩のように開かれる映画業界の豪華なパーティの会場で運命的に出会った、大スターを夢見る新人女優のネリー(ロビー)と、映画製作を夢見る青年マニー(ディエゴ・カルバ)。恐れ知らずで奔放なネリーは特別な輝きで周囲を魅了し、スターへの道を駆け上がっていく。一方マニーもサイレント映画の大スターであるジャック(ピット)の助手として映画界での一歩を踏み出すのだが、サイレント映画からトーキーへと移り変わろうとしていた映画界の革命が、大きな波となってそれぞれの運命を巻き込んでいくことに。
本作を日本公開よりもひと足先に鑑賞し、大絶賛のコメント映像を寄せたのは俳優・文筆家・画家など多岐にわたって活躍するリリー・フランキー。映像のなかでリリーは「(チャゼル監督作品で)今回の映画が一番好き」と断言し「これで確実に巨匠になった。彼こそがアメリカンドリーム」と、チャゼル監督の類稀なる才能を大絶賛。そしてこのたび、リリー・フランキーがネタバレ限界突破で語り尽くした大絶賛コメント映像の“完全版”がついに解禁された。
ミュージカル映画をはじめとした数々の名作映画にオマージュを捧げた『ラ・ラ・ランド』同様、本作でも炸裂するチャゼル監督の底なしの映画愛。無類の映画通としても知られるリリー・フランキーはそれを見逃さず、「いろんな映画のオマージュをしているんでしょ?」と鋭い指摘を飛ばしながら、近年の意外な作品との共通点などを挙げていく。
また「マーゴット・ロビーが蛇に喰われて…。それをわけのわからない目でずっと見守るブラピ。教訓めいたことをやっているのにすごくバカみたい」と、予告編でも映しだされていたシーンの衝撃や、「地下で〇〇が出てくるところとか…」と想像の範疇を超える仕掛けに「(チャゼル監督のなかで)真面目にいままでやってきたことの反動が出てるんですかね。とてもおもしろい」と感嘆と尊敬が入り混じったような表情を見せる。
さらに「監督が学生の時に笑ったようなシーンを入れているのかな。ストーリーに必要じゃないシーンがおもしろくて贅沢で、監督のいままでの映画に対する想いがたくさん入っている」と語り、「監督のユーモアのなかに皮肉というか、彼が見てきたハリウッドがあるんだと思う」と分析。そして一部で物議を呼んでいる最後のシーンについても言及し「だからこそ、逆に感情移入がいろいろなところにできた」と肯定した。すでに本編を鑑賞している人は大いに頷き、まだ観ていないという人は自分の目で確かめたくなること間違いなしだ。
リリー・フランキー以外にも、本作に魅了された多くの映画人・著名人から大絶賛のコメントが寄せられている。『シン・ゴジラ』(16)などで知られる樋口真嗣監督は「爛熟と混沌が横溢する魔の都。嬌声と怒号が織りなすハーモニー。それを悪意で彩り描き切る圧倒的な映画力はもはや狂気」と脱帽し、お笑い芸人の渡辺直美も「とても綺麗で、クレイジーなシーンがジェットコースターのように最後まで続く素敵な作品。ずっと心がドキドキしていました」と大興奮。
ほかにも「平成ガメラ」シリーズの金子修介監督や『ミッドナイトスワン』(20)の内田英治監督、犬童一心監督や行定勲監督といった映画監督をはじめ、映画評論家の町山智浩や映画パーソナリティの伊藤さとり、お笑い芸人の3時のヒロインの福田麻貴&かなでなど。それぞれのコメントは特設サイト「魂を揺さぶられた映画人100人コメント拡散キャンペーン」で読むことができる。
2月10日に日本公開を迎え、初日から3日間で興収1億円を超えるヒットスタートを切った『バビロン』。精気のすべてが解き放たれた狂乱の189分の果てに、登場人物たちにどんな運命が待ち受けているのか。感性を極限まで揺り動かされる至高の映画体験を、是非とも劇場で受け止めてほしい!
文/久保田 和馬