オスカー候補、総勢182名が出席。映画界をにぎわせたスターが大集合の「オスカーランチョン」をレポート!

映画ニュース

オスカー候補、総勢182名が出席。映画界をにぎわせたスターが大集合の「オスカーランチョン」をレポート!

毎年恒例のアカデミー賞候補者が一同に介する通称「オスカーランチョン」が、ロサンゼルス時間2月13日、会場をビバリー・ヒルトンホテルに戻して行われた。この行事は1981年から続くもので、ノミネーション発表から授賞式までの間にリラックスした雰囲気を作り、候補者同士の交流を深めることが目的だったそうだ。俳優部門も技術部門も、候補者はランダムに着席し、「初めまして」もしくは「久しぶり」から会話を始める。同じく1985年からの伝統の集合写真“クラスフォト”は、全候補者がアルファベット順に並ぶ。その年のアメリカのエンターテインメント業界を飾った人々が勢揃いする記念写真は、見ているだけで楽しい。

圧巻の「オスカーランチョン」集合写真
圧巻の「オスカーランチョン」集合写真[c]2022 Academy of Motion Picture Arts and Sciences

この日、多くの出席者が一緒に写真を撮りたがっていたのは、作品賞候補作『トップガン マーヴェリック』の主演そしてプロデューサーを務めた、トム・クルーズ。彼は『エルヴィス』で主演男優賞候補となったオースティン・バトラーと話し込み、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の主演女優賞候補ミシェル・ヨー、助演男優賞候補のキー・ホイ・クァンとセルフィーを撮る。そして『マイノリティ・リポート』(02)、『宇宙戦争』(05)のスティーヴン・スピルバーグ監督と再会し、コリン・ファレル(『マイノリティ・リポート』の共演者でもある)とブレンダン・グリーソンの『イニシェリン島の精霊』コンビと談笑する。集合写真では、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でマーベル作品初の助演女優賞候補となったアンジェラ・バセットの隣に座り、肩を組んで写っている。多くの出演作があるトム・クルーズだが、アカデミー賞候補となったのは『マグノリア』(99)の助演男優賞以来。初のオスカー獲得となるか、注目が集まっている。このように各作品の出演者や制作者が入り混じって写真撮影(多くは、彼らのスマートフォンで撮られている)する姿は、過酷な賞レースの美しい瞬間だ。

ミシェル・ヨーとトム・クルーズ
ミシェル・ヨーとトム・クルーズMark Von Holden / [c]A.M.P.A.S.

ランチョンには合計182名の候補者が出席。欠席だったのは、主演女優賞候補のアナ・デ・アルマス(『ブロンド』)、アンドレア・ライズボロー(『To Leslie』)、助演男優賞候補のバリー・コーガン(『イニシェリン島の聖霊』)、作品賞候補『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のジェームズ・キャメロン監督、歌曲賞候補のレディ・ガガ(『トップガン マーヴェリック』)など。そして前日にスーパーボウルのハーフタイムショーで圧巻のショーを披露し、第2子を妊娠中であることを発表したリアーナ(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)も出席を見合わせていた。

【写真を見る】スティーヴン・スピルバーグ監督とセルフィーを撮るキー・ホイ・クァン。アカデミー賞発表前の美しい瞬間を切り取った、映画スターたちの貴重なコラボショットをたっぷり紹介!
【写真を見る】スティーヴン・スピルバーグ監督とセルフィーを撮るキー・ホイ・クァン。アカデミー賞発表前の美しい瞬間を切り取った、映画スターたちの貴重なコラボショットをたっぷり紹介!Mark Von Holden / [c]A.M.P.A.S.


映画芸術科学アカデミーのジャネット・ヤン会長は、候補者たちにお祝いを述べたあと、「授賞式当日のスピーチは45秒以内です。グループで登壇した場合でも45秒以内に収めてください。これはテレビの生放送なんですから」とクギを刺したという。3月12日に行われる第95回アカデミー賞授賞式では、昨年放送時間外に行った技術部門賞の発表も生放送中に行う決断をしたため、放送時間が長尺になることが予想されている。アワードショー番組の視聴率が年々下がり続けるなかで、視聴者をつなぎ止めるための策に苦心しているようだ。

コリン・ファレルとオースティン・バトラー
コリン・ファレルとオースティン・バトラーMichael Yada / [c]A.M.P.A.S.

昨年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督は幕引きを促す音楽を2度止めて最後までスピーチを行い、今年1月に行われた第80回ゴールデン・グローブ賞では、映画部門<ミュージカル/コメディ>主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーが、「音楽を止めて!やっつけることもできるのよ、本気なんだから!」と壇上から喝を入れたことも大きな話題となった。今年はどんなドラマが生まれるのか、3月12日の授賞式に期待が募る。

取材・文/平井伊都子

関連作品