のんはデコルテ見せの立体ドレス、有村架純はシースルードレス…第46回日本アカデミー賞ファッションチェック!安藤サクラらのスピーチもプレイバック
石川慶監督作『ある男』が作品賞を含めた最多8部門の最優秀賞に輝き、幕を閉じた第46回日本アカデミー賞。今年も華やかな装いに身を包んだ豪華俳優陣が笑顔でステージに登場。感動的なスピーチも飛びだした。
『ケイコ 目を澄ませて』で最優秀主演女優賞を初受賞した岸井ゆきのをはじめ、今年の授賞式ではブラックドレスをセレクトしたメンバーも多かった。岸井はネックラインや袖口にゴールドが輝くブラックのドレス姿を披露。腕のシースルーや、大胆に背中を見せた1着にゴールドのイヤリングを合わせていた。最優秀主演女優賞として名前を読みあげられると、顔を伏せて驚愕した岸野。「身に余る賞をありがとうございます」と声を震わせながら「私は映画が大好きなんです。映画を観ている時は、何語でもしゃべれるし、どこへでも行ける。何者でもないと思える。この作品には、私が見たことのない景色をたくさん見させてもらいました」と熱っぽく映画愛を語り、会場を感動の渦に巻き込んでいた。
『ある男』で最優秀助演女優賞を獲得した安藤サクラは、スパンコールがキラキラと光る黒のドレス。シンプルながら、ボディラインに沿ったドレスとタイトにまとめたショートヘアが見事にマッチ。ゴージャスな輝きを放った。
子育てと仕事の両立に悩み、撮影中に引退を考えていたことも明かされたが、スピーチでは「泣いちゃう」と涙を流し、「子育てと撮影は、いまのところうまくできない。悩みつつ、その都度、家族で会議しながらみんなで協力し合って、また頑張れたらいいなと。大好きな現場に戻れたらいいなと思っています」と会場にいた夫で俳優の柄本佑に笑顔を向け、柄本はピースサインで呼応。素直に悩みを打ち明けた姿に、SNSでも共感と感動の声が上がっていた。
『さかなのこ』で優秀主演女優賞のステージに上がったのが、のん。デコルテ見せの黒のドレスは、膝丈の立体的なスカートが大きな特徴。スイングするシルバーの耳飾り、ストラップシューズとのコーデもぴったりで、センスが光る1着だった。司会の有村からは「澄んだ瞳で、とても愛おしいキャラクターだと思った」と演じた役柄を称えられていたが、この日ののんも透明感あふれるオーラで会場を魅了していた。
また『流浪の月』で優秀主演女優賞に選ばれた広瀬すずは、ノースリーブの黒のロングドレス。ウルフカットのヘアやウエストに巻いた太ベルト、ゴールドがチラリと見える靴など、ワイルドさを加えたスタイルがとてもよく似合っていた。
『ある男』と『キングダム2 遥かなる大地へ』で優秀助演女優賞に輝いた清野菜名は、引き締めたウエスト部分と肩にあしらわれたフリルやチュールを重ねたデザインが特徴的なVネックのブラックドレスでお目見え。『キングダム2 遥かなる大地へ』のアクション練習は「修行の日々だった」と笑顔で振り返っていた。
同じく優秀助演女優賞の松本穂香(『“それ”がいる森』)は、黒のティアードスカートのドレスで「(有村に)デビューした時からお世話になっている。晴れやかな場所に架純さんと立たせていただくのが信じられないし、とても幸せ」としみじみ。有村も「輝かしい姿になっているのをずっと見ている。これからも見守っていきたいなと思います」と応じるなど、2人の温かなやり取りに拍手が上がっていた。
鮮やかなカラーで授賞式を盛り上げたのは、『母性』で優秀助演女優賞に選ばれた永野芽郁。ライトピンクのノースリーブドレスに黒の厚底サンダルを合わせ、ヘアはリボンでひとつにまとめたスタイル。彼女自身の魅力が引き立つようなコーデで、さわやかかつ、可憐な印象を残した。『ハケンアニメ!』で優秀主演女優賞を受賞した吉岡里帆の、ホワイトドレスも目を引いた。全身にフリンジが施されたロングドレスで、足元からは厚底のシューズをのぞかせていた。『ハケンアニメ!』で優秀助演女優賞を受賞した尾野真千子は、ふわりとした半袖のブルーのロングドレスに、黒のベルトでウエストマーク。大ぶりの耳飾りも優美な雰囲気を演出していた。
『月の満ち欠け』で優秀助演女優賞に選ばれた有村架純は、昨年の日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞したことから、今年は司会業も担当。ブルーグリーンに花が咲き誇ったようなボタニカル柄の春らしいドレスは、襟元のショートタイもポイント。上品な甘さの漂うドレスで大役を務め上げた。
新人俳優賞を受賞した『ハケンアニメ!』の小野花梨は、鮮やかな青の着物風ドレスで存在感を発揮。デコルテを見せたデザインも個性的で、ステージでは「『芸歴というのは売れてから数えるものだ』と言われた時に、『私はいつ1年目っていつ言えるのかな』と思っていました。この賞をいただけたので、これからは自信を持って1年目って言えるなとうれしく思います」と子役からキャリアをスタートさせた道のりを振り返り、声を詰まらせていた。
『モエカレはオレンジ色』で映画初出演を果たした生見愛瑠は、刺繍をあしらったシースルーのレイヤードドレス。『今夜、世界からこの恋が消えても』の福本莉子は、胸元にタックを寄せたクラシカルなホワイトドレス、『月の満ち欠け』で主演の大泉演じる小山内堅の娘、瑠璃役を演じた菊池日菜子は、揺れる飾りもキュートな襟付きブラックドレスから美脚をのぞかせていた。
またHey! Say! JUMPの有岡大貴(『シン・ウルトラマン』)、SixTONESの松村北斗(『ホリック xxxHOLiC』)、Snow Manの目黒蓮(『月の満ち欠け』)がそろってレッドカーペットに姿を表し、大きな拍手を浴びる場面も。有岡は「改めて映画を作る楽しさを教えてくれた『シン・ウルトラマン』で受賞できたことをうれしく思います」と喜び、松村は「『なんでこの人なんだ』と思った人には、ゆっくりと納得してもらえるように頑張っていきたい」、目黒は「これからも“Snow Manの目黒蓮”として邁進していけたらいいなと思います」と宣言。『サバカン SABAKAN』の番家一路は、2010年生まれの12歳。映画初出演にして初主演を果たし、「これからも頑張っていきたいです」と初々しい表情を見せていた。
文/成田おり枝