• 映画TOP
  • 映画ニュース・読みもの
  • Apple TV+で配信中の大人気ドラマ「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」ジェイソン・サダイキスとジュノー・テンプルのインタビューを独占入手
Apple TV+で配信中の大人気ドラマ「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」ジェイソン・サダイキスとジュノー・テンプルのインタビューを独占入手

コラム

Apple TV+で配信中の大人気ドラマ「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」ジェイソン・サダイキスとジュノー・テンプルのインタビューを独占入手

アメリカのテレビ界における最高峰の賞「プライムタイム・エミー賞」のコメディシリーズ部門作品賞を2年連続で受賞している「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」の、シーズン3が3月15日よりApple TV+で配信されている。待望の新シーズン開始を前に、ドラマのクリエイターで主役のテッド・ラッソを演じるジェイソン・サダイキスと、AFCリッチモンドの広報担当キーリー役のジュノー・テンプルのインタビューを、MOVIE WALKER PRESSで独占掲載する。

Apple TV+で配信中の「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」
Apple TV+で配信中の「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」[c]2023 Apple Inc. All rights reserved.

「テッド・ラッソ」は、アメリカの大学アメフトチームの監督だったテッドが、突然イギリスのプレミアリーグのサッカーチームのコーチに抜擢されるという、“フットボール違い”を起点にしたコメディシリーズ。2020年の配信開始以来、Apple TV+の人気番組として世界中で大人気を博している。シーズンを追うごとにキャストたちは人気者になり、ロイ・ケント役のブレッド・ゴールドスタインは『ソー:ラブ&サンダー』(22)に、ロハス役のクリスト・フェルナンデスは『スパイダーマン:ノーウェイホーム』(21)に出演、そしてレベッカ役のハンナ・ワディンガムは『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(23)に出演することが発表されている。

レベッカ・ウェルトン役のハンナ・ワディンガム、テッド・ラッソ役のジェイソン・サダイキス、ロイ・ケント役のブレット・ゴールドスタイン
レベッカ・ウェルトン役のハンナ・ワディンガム、テッド・ラッソ役のジェイソン・サダイキス、ロイ・ケント役のブレット・ゴールドスタインEric Charbonneau

シーズン1では、テッドがAFCリッチモンドの新コーチに就任し、キャラ立ちした経営陣、個性豊かな選手たち、クセのある番記者や熱狂的ファンとのミスコミュニケーションを克服し、チームを一つにまとめていった。続くシーズン2では、テッドやスター選手のロイ・ケント、チームのオーナーのレベッカの葛藤が描かれ、誰もが簡単な人生を歩んでいるわけではないことがわかってくる。そして、ドラマの開始時から明言されていた“ラストシーズン”となるシーズン3では、マネージャーから転職し、新天地での活躍を目指すネイト(ニック・モハメド)が、テッドやAFCリッチモンドに抱く復讐心が爆発する。

AFCリッチモンドの新コーチに抜擢される、テッド・ラッソ(ジェイソン・サダイキス)
AFCリッチモンドの新コーチに抜擢される、テッド・ラッソ(ジェイソン・サダイキス)[c]2023 Apple Inc. All rights reserved.

キーリー・ジョーンズを演じるジュノー・テンプルは、シーズン3の脚本を手にした時「驚きと悲しみを感じた」と認める。2シーズンを通じてキャリアを飛躍させたキーリーは、PR会社を営んでいる。恋人のロイとは、しばらく時間を置くことにした。テンプルがこのシリーズに出演するきっかけは、以前から顔見知りだったジェイソン・サダイキスからの携帯メールだった。「私はコメディの仕事をしたことがないから、誤送信だと思ってた」と半信半疑でサダイキスとミーティングをした際、直後の予定の都合でドレスアップしていたテンプルと、カジュアルな服装のサダイキスの組み合わせが、すでにキーリーとテッドのようだったと思い返す。

AFCリッチモンドの広報担当、キーリー・ジョーンズ(ジュノ・テンプル)
AFCリッチモンドの広報担当、キーリー・ジョーンズ(ジュノ・テンプル)[c]2023 Apple Inc. All rights reserved.

コメディは最大の挑戦で、「いまでも、コミカルな演技とはどういうものか、どう表現したらいいのかもよくわかっていません。ただ、可能な限り率直に演じるべきだと考えています。そして、この作品に命を吹き込むすばらしいチームに恵まれ、脚本家たちは私たち全員にすばらしいストーリーを書いてくれました。特に、ハンナ(・ワディンガム)とキーリーの間に生まれた連帯は、本当に心が休まる場所になりました」と語る。離婚した夫からAFCリッチモンドを引き継いだレベッカを演じるワディンガムとキーリーの“シスターフッド”は、『テッド・ラッソ』のストーリーラインの中でも、最も楽しいシーンだ。「(レベッカを演じる)ハンナとの関係は、私にとって公私共に大切なものになりました。シーズン1から3までを通して、キーリー・ジョーンズの進化は、彼女が自分を閉じ込めていた箱から抜け出したことだと思います。キーリーが自分自身の可能性を見出すのを手助けしてくれたのはレベッカです。そして、ロイ・ケントと恋に落ち、多くのことを学びます。彼はキーリーとはまったく異なる人物で、人生における多くのことをお互いに教え合う関係でした。キーリーにとって、責任感の強いロイは人生の師のようで、本当にすばらしい教訓を学んだと思います」。

「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」より
「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」より[c]2023 Apple Inc. All rights reserved.

「テッド・ラッソ」での経験をまとめ、「一つの番組が、みんなの心を一つにできるということを学びました。これからも良い仕事をやり続けたいと思えるし、キーリーは私の人生にずっと存在し続けるでしょう。高いプラットフォームシューズを履いたキーリーが、学び、成長し、私に教訓をくれました。逆に、キーリーの世界に私らしさを持ち込めたことも、とても光栄でした」と、感慨深そうに語っている。


実は、テッド・ラッソのキャラクターは2014年に米放送局NBCがプレミアリーグ放送時のキャンペーンを行なった際に、ジェイソン・サダイキスとブレンダン・ハント(コーチ・ビアード役)が作ったコントが元になっている。

それがテレビシリーズになり、ここまでの大人気になるとはサダイキス自身が最も驚いたことだろう。愛すべきテッドのキャラクターについて、「テッドは特定の人物を役作りに活かしたわけではなく、演じていて楽しい雰囲気と、親しみやすい雰囲気を融合させたものです。テッドは、なにが起きても慌てず騒がず、『ご機嫌ならなんとかなるさ』といった感じの人物です。テッドのアクセントは私自身のものですが。お酒を飲んだり、故郷に戻って友達と一緒にいると、もう少し訛りが出てくるかもしれません。でも、(サダイキスが住む)カンザス州の人たちは、『私たちは訛っていない』と言うでしょうが」と説明する。テッドの口癖やチームを導く哲学は、アメリカのバスケットボールの名コーチのジョン・ウッデン、コスチュームはミシガン大学ウルヴァリンズのアメフトコーチ、ジム・ハーボーを模倣している。「口ひげは100%、80年代の私の父の姿が再現されています。父がひげを剃り落とした翌朝、20秒くらい誰だかわからなかったものです(笑)」と、役作りの秘密を明かしてくれた。

ジェイソン・サダイキスとApple CEOのティム・クック
ジェイソン・サダイキスとApple CEOのティム・クックEric Charbonneau

3月20日には、ジェイソン・サダイキスとキャストがワシントンD.D.のホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領夫妻とメンタルヘルスについての意見交換をおこなっている。ホワイトハウスの報道官による記者会見にも登壇し、ドラマの中のサッカー記者、トレント・クリム役のジェームス・ランスが質問するという場面もあった。

【写真を見る】バイデン大統領と、大人気ドラマ「テッド・ラッソ」のキャストたちがホワイトハウスで会合!
【写真を見る】バイデン大統領と、大人気ドラマ「テッド・ラッソ」のキャストたちがホワイトハウスで会合!President Biden(@POTUS)公式Twitterより

「テッド・ラッソ」は、英米カルチャーギャップを笑い、チームがひとつになり勝利するカタルシス作品というだけでなく、スポーツチームのメンタルヘルス問題や、彼らを蝕むトキシック・マスキュリニティにも切り込む。シーズン2からは、サラ・ナイルズ演じるシャロンが、チームの精神科医として登場していた。シーズン3でもテッドやネイトのパニック症候群の傾向が見られ、彼らが抱える問題がクローズアップされていく。メンタルヘルスは最近の映画やドラマでも扱われることが増え、このホワイトハウス会談でサダイキスは、「自分一人で抱えずに周りの人に助けを求めること、誰もが精神状態を告白できる環境を作ること」の重要性を訴えたと報じられている。

レッドカーペットより「テッド・ラッソ」のメンバー
レッドカーペットより「テッド・ラッソ」のメンバーEric Charbonneau

Apple TV+を通じて世界中で愛されるこの人気シリーズが、本当にこのシーズンで終わってしまうのか、ファンは毎週のエピソード配信を楽しみにしながらも、複雑な思いでカウントダウン中だ。エンディングについて明言は避けたものの、サダイキスはこう締めた。「AFCリッチモンドのチーム全体、そしてコーチたちスタッフ、レベッカやヒギンズ、キーリーたち、彼らはそれぞれがポジティブとネガティブの両方の影響に対処し、なにが正しい道なのか、彼らにとって最適な道なのかを見極めることになるでしょう。それによって、ドラマを観ているあなたにとっての“成功”も形づけられるのではないかと思います」。

文/平井伊都子

作品情報へ