『オオカミ狩り』で念願の悪役に挑んだソ・イングク「コンプレックスだった三白眼をここまで生かせた役は初めてだった」

インタビュー

『オオカミ狩り』で念願の悪役に挑んだソ・イングク「コンプレックスだった三白眼をここまで生かせた役は初めてだった」

自分と違うキャラとの出会いは、着たことのないファッションを試着したときめきに似ている

「自分と違う役は、新しい服を着た気分」
「自分と違う役は、新しい服を着た気分」撮影/Kim TaeKoo (C)LADSTUDIO KIMTAEKOO

シーンには直接関係しないが、フィリピンの囚人の収監施設を検索し、どんな人が居るのか、環境、雰囲気なども調べて、役を膨らませる参考にしたそう。このように外見も内面も念願の悪役にどっぷり染まった彼に、演じきった感想を尋ねてみると「僕自身も知らなかった表情をしていて、”こんな表情が出来るんだ”と驚いたことがありました。”僕も、どん底の人生を表現できるんだな”と、気分が良かったです。とにかく撮影中楽しかったです。体を鍛えて増量してタトゥーだらけの姿を見て、”こんな感じも似合うなあ”と思ったりもしました。今回の経験を次にも生かして、また悪役を演ってみたいです」と、大きな手応えを感じていた。

それに関連して、自分に近い役と、かけ離れた役、どちらが演じやすいのかきいてみたところ、「演じやすいかどうかはわからないけど、自分とは違うキャラクターを演じると、新たな自分を発見できて楽しいですね」と答えが返ってきた。「例えば、久しぶりに気分を変えようと新しい服を買いに行った時、持ってない色やいままで一度も挑戦したことの無いスタイルの服を着ると、ちょっと気分がいいな、って感じる時があるじゃないですか。それと同じ感じです」とオシャレ好きな彼ならではの例えで説明してくれた。

「肩の力を抜いてコンプレックスだと思っていた部分を表現できたのは今回が初めて」

今ではチャームポイントの三白眼がコンプレックスだった…
今ではチャームポイントの三白眼がコンプレックスだった…撮影/Kim TaeKoo (C)LADSTUDIO KIMTAEKOO

今回のジョンドゥは、作品を観たファンから、残忍なキャラはともかく「グク史上最高にセクシー!」と撃沈コメントが溢れるほど大評判。そんなファンからのコメントで、ソ・イングクが一番うれしかったのは、「目がイッちゃってる」だそう。この言葉を聞いた時、満ち足りた気持ちになったんだとか。「例えば、麻薬について話してる時にイッちゃった目をしてるのは当然じゃないですか。でもそうじゃなくて、人を破壊するような目だ、という意味で言ってもらえて、”僕は、このジョンドゥというキャラクターを上手く表現できてるんだ”と思えたんです」と、この嬉しい誉め言葉を噛みしめていた。

いまでは彼のチャームポイントとなっている三白眼は、子どものころや俳優を始めるまではコンプレックスだったんだそう。「年上の人には好かれないし、よく言いがかりもつけられた」と…。しかし、俳優になってからは、「その目が好き」と言われるようになり、三白眼を生かした微妙な表情を作れることもあり、コンプレックスが武器に変わった。「なかでも、こんなに肩の力を抜いてコンプレックスだと思っていた部分を表現できたのは今回が初めてで、すごく気分が良かったし、不思議な感じもしたし、うれしかったですね」と、ジョンドゥを通して”武器”の使い方をさらにマスターしたようだ。

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