“理想の8等身イケメン”のチャ・ウヌ、頭脳明晰な優等生から韓国を代表する俳優になるまで
初の時代劇では、お茶目で優しいイケメン王子の魅力を発揮!
やや遡り、2019年には「新米史官ク・ヘリョン」にて初の時代劇に挑戦。このころにはすでに“チャ・ウヌの新作”として注目を集めていたように思う。本作でチャ・ウヌが演じたのは、恋愛小説をしたためながらも、恋愛経験はゼロというイケメン王子・リムだ。コミカルなファンタジーラブロマンスである本作では、年上のヒロイン・ヘリョン(シン・セギョン)に憎まれ口を叩いたり、内官にお茶目な一面を見せたりと、これまでの作品ではあまり見ることのなかったチャ・ウヌの姿も。そして、改めて彼は、恋に落ちていく過程の表現がうまい。ヒロインを見つめる優しい瞳は慈愛に満ち、あたたかな声からも想いが伝わる。明瞭で清涼感があり、高くも低くも温度を感じる声は、チャ・ウヌの俳優としての大きな魅力であると思う。
まだ内容について詳細に語れる時期ではないのだが、ファンタジックな世界観を持つ「アイランド」ではバチカンの最年少“魔除け司祭”ヨハンを演じている。チャ・ウヌ自身「新しい挑戦ができた作品」と語るように、アクションシーンや感情を爆発させるシーンも見どころであり、その佇まいにはカリスマ性を感じられるようになった。
アクション・ファンタジー・ロマンス…チャ・ウヌの挑戦は終わらない
「弟にそっくり」だと笑っていた短髪姿で、海軍潜水艦の音響探知副士官に挑んだ2022年の映画『デシベル』の日本公開も待ち遠しく、一方で、ウェブ漫画を原作としたファンタジーロマンス「ワンダフルデイズ」の配信も控えている。チャ・ウヌがいかに求められている俳優であるかが分かるだろう。類まれな美しさに甘えず、その重圧から逃げることもなく、役者としての個性とするまでに静かに努力し続けてきたチャ・ウヌ。ほどよく肩の力が抜けたようにも思える近年、どんな新たな表情で我々をときめかせ、あるいは裏切ってくれるのだろうか。
ASTROのメンバーであり、世界が注目する俳優、チャ・ウヌ。走り続ける彼の1年が、健やかで実りある、幸多きものとなることを願っている。
文/新 亜希子