広瀬すず×櫻井翔が語り合う、俳優としての歩みと映画『ネメシス』での再会「この空間にはもう信頼しかない」
天才的なひらめきを持つ探偵助手のアンナと、ポンコツだが人望が厚い探偵の風真が様々な謎に挑む姿を描いた人気ドラマシリーズを映画化した『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』が、3月31日(金)より公開。ドラマシリーズ総監督に引き続き、『22年目の告白―私が殺人犯です―』(17)、『AI崩壊』(20)など数々のヒット作で知られる入江悠がメガホンをとり、「アンフェア」シリーズの原作者で、謎解きミステリーの名手・秦健日子が脚本に参加する本作。ドラマでお馴染みのメンバーに佐藤浩市ら新キャストも加わり、夢と現実が交錯しつつ物語が展開。道路を封鎖してのド派手なアクションや、ダイナミックな映像も見どころだ。
描かれるのは、ドラマの最終話から2年後。突如、依頼がピタリと止まり、探偵事務所「ネメシス」が経営難に陥るなか、20歳になったアンナは仲間たちが次々に悲惨な死を遂げる悪夢を毎晩見るようになり、風真も怪しげな行動を取り始めるようになる。アンナと風真を演じた広瀬すずと櫻井翔に、本作の見どころや撮影秘話と共に、仕事への向き合い方を語ってもらった。
「一瞬のためにじっくり時間をかけて、一気にガッて撮る感じがすごく好き」(広瀬)
――完成した映画をご覧になられていかがでした?
広瀬「映像のパワーを感じました。いままで自分がやってきた作品とは全然違うテイストの映画で新鮮でしたし、もう一回観たいなって。『きっと一回観ただけでは全部はわかりきれていないだろうな』って、自分を疑うぐらい(笑)、いろんなものが詰まってました」
櫻井「映像ならではの表現がふんだんに入っていて、脚本からより立体的になったというか。例えば、アンナがベッドで寝ているシーンで画がグイーンって反転する場面だったり、終盤で背景が動いていくなかで行われるアクションシーンだったりは、テレビサイズで観るより映画館の大きなスクリーンで観たほうが、より浮遊感を味わえるんじゃないかなと思います」
――なかでもお2人が「映画ならでは」と感じたシーンを挙げるとするなら?
広瀬「“映画ならでは…”ということで言えば、やっぱりカーアクションです!」
櫻井「プロのカースタントの方が運転する車に乗って、何テイクも撮ったんだよね」
広瀬「助手席に乗ってた翔さんが、あまりの衝撃で途中からお芝居するのを一瞬忘れていらっしゃったのか、後ろを振り返りながら『うわぁ~、ヤバいヤバい!』って(笑)」
櫻井「あれはホントにヤバかった(笑)。リアルなジェットコースターみたいだったからね」
広瀬「あとは、江口(洋介)さん演じる栗田さんとアンナが廊下で2人きりで話すシーンの撮影も、すごく印象に残ってます。『これ本当に映ってる?』って思うほどカメラ位置が遠くて、何回かリハーサルをしてからワンカットの一連で撮ったんですが、『ここはこうだから、こういう動きのほうがいいんじゃないか』と、全員がそれぞれ意見を出し合いながら作っていった感覚がありました。そういう時間は、映画ならではだなと。一瞬のためにじっくり時間をかけて、一気にガッて撮る感じがすごく好きでした」
櫻井「わかる!僕もあのシーンは観ていてめちゃめちゃ興奮しました。台本を読んで『このシーンを撮影するのにどれぐらいかかるのかな』『結構、カットを割るんだろうな』と思っていたら、『ワンカットで撮った』と聞いて、『うわ、映画じゃん!』って痺れたんです」