心躍る軽快な冒険ファンタジー『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』は映画として大いに見る価値あり!
ベテランならではの存在感で悪役を飄々と演じるヒュー・グラント
これにもう一人、忘れてはならないのがヒュー・グラントだ。彼の役どころはなんと“詐欺師”のフォージ。かつてエドガンらの仲間でありながら、ある出来事をきっかけに裏切り、いまでは一つの国を丸ごと支配する地位に上り詰めているらしい。いわば本作における悪役と言ってもいい。
グラントといえばいつも、甘いマスクからは想像できないほどの、ちょい辛辣で皮肉たっぷりなセリフを口にする愉快さが魅力だが、悪役になるとさらにエンジンは全開。『パディントン2』(17)の時と同じく、彼自身がウキウキと楽しみながら演じている様子が伝わってくる。芸達者で安定感のある彼だけあって、いつもフフッと笑ってしまう言動やリアクションでしっかりと場面を締めてくれるところはさすが。だからこそ共演者の誰もが安心してセリフを投げかけられるのだろう。本作での飄々としたグラントは、そういった演技面において“縁の下の力持ち”と呼ぶべき存在なのかもしれない。
このように『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』には、互いの個性や能力が絡み合うパーティの魅力がいっぱい。VFXを駆使したドラゴンたちクリーチャーの造形や手に汗握るダンジョンでのアクションも楽しいが、まずは小気味よいノリに満ちたキャラクターたちが基調和音を成すことで秀逸な脚本が余すところなく活かされ、バランスの取れた快作に仕上がっている。
観ようかどうかと躊躇している人はぜひ飛び込んでほしい。重苦しい冒険ファンタジーとはひと味違う軽快さで、思い切り心を躍らせることができるはずだ。
文/牛津厚信
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