神木隆之介『大名倒産』の江戸から「らんまん」の明治へ「いろいろな時代を生きてきたことが役に立っています」

インタビュー

神木隆之介『大名倒産』の江戸から「らんまん」の明治へ「いろいろな時代を生きてきたことが役に立っています」

神木隆之介がキャリア初のちょんまげ姿に挑戦した映画『大名倒産』(6月23日公開)。ベストセラー作家、浅田次郎の同名小説を『老後の資金がありません!』(21)の前田哲監督が映画化。杉咲花、松山ケンイチなど豪華キャストが顔をそろえる本作で、主人公の松平小四郎を演じた神木にインタビューした。

【写真を見る】なかなか現代に戻れない?朝ドラ、映画まで時代劇に引っ張りだこの神木隆之介にインタビュー!
【写真を見る】なかなか現代に戻れない?朝ドラ、映画まで時代劇に引っ張りだこの神木隆之介にインタビュー![c] 2023映画『大名倒産』製作委員会

江戸時代の越後、鮭売りの息子として平穏に暮らしていた小四郎(神木)は、ある日突然、徳川家康の血を引く丹生山藩の跡継ぎだと告げられる。実の父、一狐斎(佐藤浩市)は、小四郎を藩主に任命して隠居。庶民から殿様へと大出世したかに思えたが、なんと藩が25万両(約100億円)もの借金があることが判明。困惑する小四郎に一狐斎が命じたのは、借金返済日に藩の倒産を宣言し踏み倒す「大名倒産」。しかし一狐斎の本当の企みはすべての責任を小四郎に押し付け、切腹させることだった――。

「表現のメリハリはかなり意識した部分です」

「時代劇だけど現代につながる要素を感じました」と台本の印象を話した神木。借金を返済するための節約術や物事の考え方、セリフにも現代を感じる部分があったという。「『やべーよ』『マジかよ』などのセリフはもともと台本にあったもの。江戸時代だからと構えることなく自然に演じられるよう、事前に役を固めず、共演者とのお芝居を通してキャラクターを作っていきました」と役作りを振り返った。「小四郎は心情が顔に出るタイプ。コメディ作品ということもあり、表情でおもしろおかしさを表現できるような芝居を心がけました。一方で彼の優しさや繊細さもしっかり伝えたかったので、表現のメリハリはかなり意識した部分です」と笑顔を見せた。

時代劇ならではの衣装や作り込まれたセットは見ているだけでも楽しい
時代劇ならではの衣装や作り込まれたセットは見ているだけでも楽しい[c] 2023映画『大名倒産』製作委員会

採用されたアドリブで印象に残っているのは、小四郎とさよ(杉咲花)が悪党に追い詰められるシーン。「悪党がナイフをぺろっと舐めるシーンがあるんですけど、台本を読んだ時に『ベタすぎじゃない?』と思って(笑)。あのシーンでの僕のアドリブは、芝居を通しての監督に対するツッコミでもありました。採用されていたので驚きましたが、すごくうれしかったです。テンポもよかったし、時代劇の型にとらわれず、おもしろいものを作ろうという気持ちが伝わってきました。ほかにも映画全体にそういうシーンが散りばめられていて、小四郎の絶望感もコミカルに描かれているので、現場での楽しい雰囲気と一緒に受け取ってもらえたらうれしいです」。


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