名曲の数々が生まれ変わる!KREVAが語る『リトル・マーメイド』音楽の魅力
ディズニーアニメーション映画の不朽の名作、『リトル・マーメイド』の実写版が6月9日(金)に公開される。誰もが聞きなれた音楽が多い本作。その音楽を手掛けたアーティストたちともゆかりのある、ラッパーで音楽プロデューサーのKREVAが、その魅力と新作への期待を語ってくれた。(インシアターマガジン「月刊シネコンウォーカー」5月号掲載の特集より)。
劇中のキャラクターがしゃべってるような感じに作られている
「2018年、『リトル・マーメイド』の音楽を手掛けたアラン・メンケンさんを日本に迎えて、アニメーション版『リトル・マーメイド』をフルオーケストラの演奏とともに上映するフィルム・コンサートが開催されました。そこでセバスチャン役を演じ、歌とパフォーマンスを披露する機会をいただきました。自分が知っている世界とはまったく違っていて、リハーサルはとても厳しくて…。けれどもアランさんが初めて自分のセバスチャンを見た時、こうやって(親指立てるポーズをして)『リズムがいい』ってほめてくれたんです。リズム感は自分が一番大切にしていたことですし、絶対的な自信がありましたからうれしかったです」
「アランさんは音楽を心から愛し、音楽に生かされている方という印象です。ディズニー映画の音楽を『これもなんだ!』というぐらい数多く手掛けていて、『アラジン』なども大好きです。どれもすごくドラマチックなんですよね。楽譜にするとわかりやすいポップソングなんですが、歌ってみるとセリフっぽくて、劇中のキャラクターがしゃべってるような感じに作られている。思い出深い曲は『キス・ザ・ガール』。ボートに乗っているアリエルとエリック王子に、セバスチャンがキスをしろとそそのかす、お節介な歌で(笑)。ムーディでもあり、コミカルな感じも出さなきゃいけないので気を使いました」
「今回の実写版『リトル・マーメイド』の音楽には、そのアランさんと一緒にリン=マニュエル・ミランダも参加しています。彼が手掛けたブロードウェイのミュージカル『イン・ザ・ハイツ』の日本版舞台の歌詞を担当させてもらったことがあるので、なんだかつながりも感じています(笑)。彼が作詞・作曲し、自ら主演した『ハミルトン』もNYで見ましたが、音楽はラテン的だったり、ヒップホップの知識も豊富で…というか完全にヒップホップ育ちの感性ですよね。今回彼が入ったことで、ヒップホップ要素も入ってくるんじゃないかと楽しみです」
「そして、アリエルを演じるハリー・ベイリーの声の透明感。過去のブラックミュージックの系譜で言うと、ジャネット・ジャクソンやアリーヤなどがそうですが、ああいう透明な声が出せる人。繊細で感情豊かで、アリエルにぴったりじゃないかと思います。実写版では、海の中のカラフルな魚たちがどうなっているのかも気になりますし、映像面でも期待しています」
〈実写版『リトル・マーメイド』より、「パート・オブ・ユア・ワールド」(英語版/日本語版)が配信中!〉
■KREVAプロフィール
ラッパー・音楽プロデューサー。2004年に「音色」でソロメジャーデビュー。作詞、作曲、トラックメイク、ラップを手掛けるほか、様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュースも行う。
取材・文/村上ひさし