「こんなに泣けるとは」…ダメ息子から文豪になった宮沢賢治を支えた家族の物語『銀河鉄道の父』はハンカチ必須って本当?
宮沢賢治を題材とし、第158回直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を、成島出監督、役所広司、菅田将暉ら豪華スタッフ&キャストで映画化した『銀河鉄道の父』(5月5日公開)。賢治の人生を家族の視点を通して描く本作は、「賢治が実はダメ息子だった!」という意外な事実が話題を集めるなか、すでに試写会で作品を鑑賞した人からは「開始5分くらいでこっそり泣いた…ハンカチはもちろんティッシュ必須」(30代・女性)との声が挙がっている。MOVIE WALKER PRESSでは、スペシャルサイトにて本作の期待&感想投稿キャンペーンを実施中。寄せられた感想と共に映画の魅力を紐解いていきたい。
日本を代表する童話作家・宮沢賢治の知られざる家族の物語
「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」といった作品で知られ、今年で没後90年を迎える童話作家で詩人の宮沢賢治。本作では37歳の若さで亡くなった彼の誕生から死までが、父の政次郎、妹のトシら家族との交流を通して綴られていく。
質屋を営む一家の長男に生まれた賢治(菅田)は、跡取り息子として大切に育てられるが、家業を継ぐことを断固として拒否。農業や人造宝石に夢中になり、政次郎(役所)と母のイチ(坂井真紀)を振り回した挙句、宗教にハマり東京へ家出してしまう。そんななか、賢治の一番の理解者だった妹のトシ(森七菜)が結核に倒れてしまい、トシを励ますために賢治は一心不乱に物語を書き、読み聞かせるが…。
「天才でも偉人でもなく、一人の若者としての宮沢賢治を知れたのがよかった」(20代・女性)
「宮沢賢治という人物は知っていましたが、映画を観てすてきな家族たちがいてこその宮沢賢治だったんだなと思いました。いままでの宮沢賢治のイメージが私のなかですごく変わりました。次、国語の教科書を開くのが楽しみです」(10代・女性)
本作を通じて浮かび上がる賢治像は、ストイックで聖人的なイメージとは真逆の善良だが甘ちゃんなダメ息子。親の言うことに従わず、学校の成績はパッとせず、なにか新しいことを始めたかと思えば中途半端に終わってばかり。情けないエピソードの数々は、どこか神格化されがちな賢治のイメージを覆しており、意外な一面を知れること自体が一つのおもしろさでもある。
そんな等身大の青年と家族にまつわる物語だからこそ心に響くものがあり、「最初からずっと泣いてしまい、温かい気持ちがずっと残るこんな映画に出会ったのは初めてでした。作品は知っていたものの、宮沢賢治がこんなにも普通に家族とぶつかり、家族に愛されていたとは知らなかったので、新しい発見だらけでした」(30代・女性)、「賢治の作品や家族の<事実>はある程度知っていたけれど、それが映像作品として落とし込まれたことで、人間味や温かさを感じて感動しました。宮沢家がより愛おしくなりました!賢治の作品を読み返したいと思います」(20代・女性)など感動の言葉が多く寄せられた。