イ・ジョンジェ、シム・ウンギョンら人気俳優の10年前の出演作は"じわる"おもしろさに満ちていた…日本未公開韓国映画を深堀り!

インタビュー

イ・ジョンジェ、シム・ウンギョンら人気俳優の10年前の出演作は"じわる"おもしろさに満ちていた…日本未公開韓国映画を深堀り!

日本初上陸の最新海外ドラマと厳選作品が観られるAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX」とスカパーの「スターチャンネル」ではGWスペシャルとして、「マストで観るべき本邦初公開韓国映画2」を特集。20年以上韓国映画を観続けてきた目利きの担当者が、現地から直接買いつけた選りすぐりの作品をお届けするこの企画は、昨年11月に続く第2弾となり、日本では劇場公開されず、未ソフト化の貴重な作品5本を独占配信&公開する。

第1弾に続きこの特集を企画、作品チョイスをしたプロデューサーの飯森盛良と、MOVIE WALKER PRESS編集部員の鄭智喜、韓流コンテンツに詳しいライター・鳥居美保の3人で、本特集で取り上げられる韓国映画5作の魅力について語り尽くした。

選んだ基準は「まず自分が観たかった作品」(飯森)

鳥居「まず、第2弾で5本を選ばれた理由を教えてください」

飯森「第1弾と同様に、今回も日本未公開の韓国映画の膨大なリストを韓国のパートナーから貰ったんです。もちろん観たことがない作品ばかりだったんですが、『なんかおもしろそうだな』と感じたものと、タイトルは知っていて『いつか観たい』と思っていたものを選びました。要するに、まずは自分が観たいもの(笑)。僕と同じ感性の人がいたら、喜んでもらえるかな、という感覚で選びました」

「マストで観るべき本邦初公開韓国映画2」特集を企画したプロデューサー、飯森盛良氏
「マストで観るべき本邦初公開韓国映画2」特集を企画したプロデューサー、飯森盛良氏

これでもか!の圧倒的なバイオレンス描写のハン・ソッキュ主演作『殴打誘発者たち』

1本目は2006年に韓国で公開された、『シュリ』(99)で知られるハン・ソッキュ主演の『殴打誘発者たち』。監督は『サスペクト 哀しき容疑者』(13)、『殺人者の記憶法』(17)を手掛けたウォン・シニョン。田舎道をベンツでドライブする、声楽科教授と女生徒。その途中で彼女がデートレイプに遭ったことから始まるスリラー。河原で見るからに危険な人々と出会い、悪夢のような経験をする超バイオレンス作品だ。

『サスペクト 哀しき容疑者』(13)、『殺人者の記憶法』(17)を手掛けたウォン・シニョン監督の代表作である『殴打誘発者たち』
『サスペクト 哀しき容疑者』(13)、『殺人者の記憶法』(17)を手掛けたウォン・シニョン監督の代表作である『殴打誘発者たち』(C)2006 Prime Entertainment,All rights reserved.

鳥居「では、今回の特集の最初を飾る『殴打誘発者たち』から」

飯森「初回放送のトップバッターなので放送時刻が早すぎました。気持ち的には夜9時ぐらいから観たいゴールデン級の作品なんですけど(笑)。でも、河原で肉を焼いて皆で食べるシーンがあるんですが、同じように家で昼からサムギョプサル(豚の三枚肉)を焼いてビールでも飲みながら観るのもいいかもしれませんね。余談はともかく、これは本当におもしろかったです!映画の感想で“おもしろかったです”ってのは一番バカっぽいんですけど(笑)、ネタバレになるんでそれしか言いようがない。いわゆる“田舎ホラー”です。アウトドアを楽しみに行った人たちが、常識の通じない世界に紛れ込んじゃってひどい目に遭わされる、バート・レイノルズ出演の『脱出』(72)という映画がありますが、この作品もそんな感じで。『脱出』に匹敵するおもしろさでした」

鄭「最初は、ただのコメディかな?と思ったら、哲学的というかブラックコメディというか、ホラーな展開になっていったりして、そのよくわかんない感じになっていくのがおもしろかったです」

飯森「どこに話が転がっていくのかまったくわからないんですよね」

鳥居「手持ちカメラで撮ってるみたいに、ずっと画面が微妙に揺れているんですよ。それがなんか気持ち悪くて、不安感を掻き立てられました」

飯森「観ているうちにぐるぐるしてくる感じ。それと、『VOICE ヴォイス』(05)というホラー映画(韓国の原題は『女高怪談4』)以来好きで、本作のあとに韓国のいろんなドラマで活躍するチャ・イェリョンが女学生役で出ているんですが、かわいいんですよ」

笑顔に騙されて誘いに乗ってしまった女学生役のチャ・イェリョン(『殴打誘発者たち』)
笑顔に騙されて誘いに乗ってしまった女学生役のチャ・イェリョン(『殴打誘発者たち』)(C)2006 Prime Entertainment,All rights reserved.


鳥居「出演者でいえば、イ・ムンシクがよかったです。一見、人のいい笑顔で心を許してしまいそうなんですけど、信用したら危ない、という典型で、彼のそういった持ち味を上手く生かした役だったなぁ、と。なんか胡散臭いんだけど、せっぱつまっていたらあの笑顔に騙されて誘いに乗ってしまう心理は理解できます」

飯森「ハン・ソッキュがやたら唾を吐くんですけど、切れ味がいい唾じゃなくてドロッと吐くんですよね(笑)。『この人たち汚らしい』っていう嫌悪感を煽るような演出もすばらしかったです」

鄭「公開当時のハン・ソッキュって、ロマンチストのイメージが強かったんですよ。だから、“この役で仕事が減っちゃいそう…”って心配していたらしいです(笑)」

【写真を見る】2006年の韓国公開当時、ロマンチストのイメージが強かったハン・ソッキュだったが…(『殴打誘発者たち』)
【写真を見る】2006年の韓国公開当時、ロマンチストのイメージが強かったハン・ソッキュだったが…(『殴打誘発者たち』)(C)2006 Prime Entertainment,All rights reserved.

飯森「あと、タイトルの『殴打誘発者たち』って原題の意味が最初よくわからなかったんですが、“殴られても仕方がない人たち”という意味なんですか?」

鄭「韓国語だと、“殴りたくなるやつ”という感じが近いですね。この作品がきっかけで、韓国で“○○誘発者たち”という言葉が流行ったんですよ」

飯森「そうなんですか!そんな影響が出るくらいよくできた作品ですよ。なんで日本の配給会社がスルーしたのか、本当に理解できない。韓国バイオレンスものの傑作として語り継がれるべき作品です」

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【スターチャンネルEX 配信】
「マストで観るべき本邦初公開韓国映画2」
5/23(火)~一挙配信スタート
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」

【スターチャンネル 放送情報】
[STAR2 字幕版]5/7(日) 12:45~ 一挙放送
[STAR2 字幕版]5/15(月)~5/19(金)21:00~ 5日連続放送(全5作品)
GWスペシャル!5大企画一挙放送 マストで観るべき本邦初公開韓国映画2
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