ARMYライターがレビューする「SUGA: Road to D-DAY」。鑑賞後に込み上げるSUGAへの感謝
BTSのSUGAが“Agust D”としてリリースしたソロアルバム「D-DAY」が、発売初日でミリオンを達成。また、世界67か国、地域のiTunes「トップアルバム」チャートで1位を記録し、ソロアーティストとしても世界的人気を見せつけた。そんなSUGAのアルバム制作の過程に密着したドキュメンタリー「SUGA: Road to D-DAY」が、ディズニープラス「スター」で独占配信中。ARMY(BTSのファンネーム)である筆者が、SUGAの魅力と音楽愛がたっぷり詰まった本作について熱くレビューしていく。
「やりたいことがないのが悩み」SUGAが明かすトップアーティストとしての苦悩
ARMYはご存知だと思うが、SUGAと言えばBTSとして世界ツアーを回っている間も極力外出はせず、ホテルに引きこもって作業をしている“出不精”な印象が強い。しかしこのドキュメンタリーでは、ソウルや平昌、春川、アメリカ、東京などを飛び回り、様々なアーティストや仲間たちと交流をしながら音楽を作り上げていく過程が映されており、新たな一面を見ることができる。また、本編の合間には「D-DAY」収録曲のライブクリップも収録。「この曲がどのようにして生まれたのか」など、楽曲や歌詞に込めた想いをSUGA本人から語られたあとにライブクリップが流れるので、彼の想いをまっすぐに受け止めながら、ライブを堪能することができる。
本編は、「やりたいことがないのが悩み」「たくさんの夢をかなえてしまったから、そのせいで忘れてしまったのか…」というSUGAの言葉から始まる。世界的トップアーティストとなり、数々の大きな夢を叶えてきたからこそ、トップまで上り詰めた人にしかわからない、想像しえない苦しみなのだろうと思う。そんな苦しみを抱えながら訪れたのは、アメリカ、ラスベガス。「MIC Drop」などこれまでBTSと3度コラボしているスティーブ・アオキと再会を果たした。スティーブ・アオキの自宅には、BTSの写真や絵画がいたるところに飾られていて、7人との絆を感じることができてうれしい。しかし、「まさか今日のために(飾ったの)? これ、新品だよね? 気を遣ってくれたんだね」と、本当に普段から飾っているのか少し疑うSUGAが非常にSUGAらしかった(笑)。お互いに作曲した曲を聴かせ合ったり、嬉しそうに笑顔で話したり、一緒にトランポリンで遊んだりなど、「貴重な映像をこんなに見せてもらっていいんですか!?」と、本編が始まってまだ10分ほどなのに、すでに満足感でいっぱいになった。
しかしその後、「デビューしてから初の旅行」とグランドキャニオンに登るSUGAが映しだされ、「30代は“仕事だけ”は耐えられない。旅行が楽しいなんて初めて知りました」と語る姿に、少し胸が痛くなる。20代のほぼすべてを仕事に捧げ、私たちARMYに幸せを与え続けてくれたことへの感謝の気持ちと、30代はそのぶん思い切り好きなことをやってほしいし、自分の幸せのために生きてほしいなと切に願う。