いま一気観したいオススメ海外ドラマはコレ!「THE LAST OF US」など“道連れ”バディ3選
突如現れた謎の代理社長と上昇志向のキャリアウーマンが会社再建に火花を散らす「コンサルタント」
『イングロリアス・バスターズ』(09)、『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)で2度のアカデミー賞助演男優賞に輝く名優クリストフ・ヴァルツが怪演を見せるサイコ(…とは断言できない)サスペンス「コンサルタント」。CEOが謎の死を遂げたゲーム会社コンプウェアに、ある日突然、コンサルタントを名乗るリージャス・パトフ(ヴァルツ)という男がやって来る。代理社長として会社を再建するために、野心家の企画アドバイザー、エレイン(ブリタニー・オグレイディ)を取り込んでメッタ斬りにするのだが、これが理解に苦しむほどえげつない。夜中の3時に打ち合わせを強要するわ、自分に盾突く社員は容赦なくクビにするわ、妖しい会員制クラブに出入りしていたかと思えば、突如会社を土足厳禁にし、精神の開放を呼びかける。
まだまだある。階段を一人で上れない極度の高所恐怖症、異常なほどの食へのこだわり、もはや日課となっている社員の盗撮などなど…。挙げ出したらキリがないほどのクセ者なのだが、しかし待てよ。ふと気が付くと、なぜか会社の業績は右肩上がり、いままで学生気分で働いていた社員の意識が明確に変わり、役職ポストをめぐって仲間同士が掴み合いの喧嘩を始めるほど社内に出世欲がみなぎっている。人の神経を逆撫でしながらも、やる気を喚起させ、パトフ信者を増やしていくさまは、荒手の新興宗教のようだ。敬虔なカトリック教信者が彼を“悪魔の化身”だと恐れていたが、果たしてそうなのだろうか?人格は不気味でも、会社は復調し、どんどん急成長を遂げているのも事実。もしかすると、パトフは悪魔どころか“救世主”だったのかも…。視聴者によって解釈が分かれるところだが、演じているのがカリスマ俳優のヴァルツなだけに洗脳の線も大いにあり。ぜひ、ご自身の目でジャッジを。
ワケありFBI捜査官と巻き込まれヒロインがホワイトハウスの陰謀に迫る「ナイト・エージェント」
一度スタートボタンを押したら最後、おもしろすぎて徹夜決定、一気観必至!FBIものにハズレは少ないが、マシュー・クワーク原作の最新ドラマ「ナイト・エージェント」は、その高いハードルをさらに一段押し上げた。第1話から爆発、銃撃、カーチェイスと激しいアクションが怒濤の如く展開!「まるで『ジェイソン・ボーン』だな!」と思わず叫びたくなるド派手なオープニングをお見舞いされるが、これが序章というから驚きだ。主人公はFBI捜査官ピーター(ガブリエル・バッソ)。地下鉄爆破事件で疑惑を持たれたことから、彼はファー大統領首席補佐(ホン・チャウ)のもと、ホワイトハウス地下の緊急電話番の任務に飛ばされる。そんなある夜、ローズ(ルシアン・ブキャナン)という女性から電話がかかってくる。家主の伯母夫婦が殺害され、自分も暗殺者にねらわれているというのだ。ピーターはローズに暗殺者からうまく逃げる方法を伝え、翌日助けに向かうが、そこで衝撃の事実を知る。
地下鉄爆破事件の裏に隠された陰謀とは…?2人はホワイトハウス内に正体不明の裏切り者がいることを知り、独自の捜査をすることに(正確にはローズの押しにピーターが負けたカタチ)。ただし、敵はアメリカ政府の(たぶん)お偉いさん。夫婦を装った殺し屋や、蛇の刺青を入れた謎の男など、真実にたどり着くまでに危険な暗殺者が行く手をこれでもか、これでもかとさえぎってくる。この痺れるような状況をどう打破していけばいいのか…?改めてなにも信用できないスパイ合戦の恐ろしさを肌で感じながら、真実にジワリジワリと近づいていく王道のおもしろさ、極上の快感を存分に味わいたい方にはオススメだ。
いずれも5月病の憂鬱な気分を忘れさせてくれるほどのおもしろさ。インドア派でまだこれらを観ていなかったという人はもちろん、それ以外の人もぜひチェックしてみてほしい。
文/坂田正樹