キム・ダミから始まった「魔女」ユニバースとは？イラストで解説する『THE WITCH／魔女　―増殖―』の世界

予測不能な展開と過激なアクション、可憐にして狡猾なヒロインも話題を呼んだ衝撃作『The Witch／魔女』(18)の続編『THE WITCH／魔女　―増殖―』が5月26日(金)より公開される。前作は日本での通常の劇場公開が見送られたが、特集上映で目にした観客たちの熱い反応が口コミで拡散。レンタルや配信で瞬く間に浸透し、熱狂的ファンを生みだした。彼らの熱い要望に応える形で、最新作の劇場での公開が決定。これを記念し5月12日(金)からは、新宿ピカデリーなど全国27館にて、前作の1週間限定上映も行われる。

遺伝子操作で特殊な力を持って生まれた少女が、彼女を生んだ組織と熾烈なバトルを繰り広げる――。監督、脚本、製作は『新しき世界』(13)や『V.I.P. 修羅の獣たち』(17)のパク・フンジョン。絶妙な語り口やドラマ運びで定評のあるパク・フンジョン監督だけに、本シリーズもアウトラインはシンプルだが主人公をめぐる人間模様や組織内での対立軸など見応えあるドラマが味わえる。本作をより楽しむために、広がりを見せていく「魔女」ユニバースの世界観や相関図を、「みなそこにて」「君のくれるまずい飴」などの作品を手掛ける漫画家、冬虫カイコのイラストと共にひも解いていきたい。

魔女の“覚醒”を描いた前作『The Witch／魔女』

『The Witch／魔女』の主人公、ジャユンが巻き起こした惨劇を描いたイラストイラスト：冬虫カイコ

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ある施設で武装集団による殺戮を生き延びた幼い少女。酪農家の夫婦に保護された少女はジャユンと名付けられ、彼らの娘として暮らすことになった。高校生になったジャユン(キム・ダミ)は、厳しい経営を強いられる親の力になるために賞金目当てでオーディション番組に出場。物を触れずに動かすサイコキネシスの持ち主である彼女は、手品と称しその力をテレビで披露してしまう。それによって、かつて施設を襲った組織のメンバー、ペク博士(チョ・ミンス)とミスター・チェ(パク・ヒスン)はジャユンの存在を察知。彼女の家に特殊能力を持つ工作員(アサシン)を向かわせた。

『The Witch／魔女』であどけない少女から最強のアサシンへと変貌するジャユンを見事に演じ切ったキム・ダミ(『The Witch／魔女』)[c]2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

あどけない少女ジャユンが最強のアサシン＝魔女として目覚める前作は、魔女と組織の関係を描いたいわば「誕生編」。組織の全容はまだ不明だが、各地に研究施設を持つことから国際的な活動を行っていることが伺える。その研究チームの中心的存在が遺伝子学者のペク博士。彼女は魔女の資質を持つジャユンを捕獲、自身の管理下に置こうと画策する。一方、ペク博士の部下で魔女の存在を危険視しているミスター・チェは、ジャユンを殺害するため暗躍。ジャユン、ミスター・チェ、そしてペク博士の命を受けた新世代のアサシンが三つ巴の死闘を繰り広げた。

魔女の完全体である少女が迫りくる刺客との激しい死闘を繰り広げる『THE WITCH／魔女　―増殖―』

これに続く本作は、死闘を制したジャユンが姿を消した“その後”を描いた物語である。韓国・済州島にある組織の研究所アークが何者かに襲撃され、生き残った実験体の少女(シン・シア)が外の世界に出てしまう。偶然に出会ったギョンヒ(パク・ウンビン)をヤクザから助けた少女は、ギョンヒの弟デギル(ソン・ユビン)と暮らす屋敷に身を寄せることになった。その頃ペク博士の妹で組織から引退したペク総括(チョ・ミンス)は、組織本社のアサシン、チョ・ヒョン(ソ・ウンス)に少女の抹殺を依頼していた。少女は魔女の完全体のモデルとして生みだされた実験体で、あまりに強い力を持つ危険な存在だったのだ。姉弟のもと平穏な日々を送る少女に、チョ・ヒョン率いる暗殺チーム、そして上海から来た謎の超能力集団“土偶”の手が迫る。