『シン・仮面ライダー』の池松壮亮、柄本佑、森山未來らトリプルライダーのスペシャル鼎談が解禁

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『シン・仮面ライダー』の池松壮亮、柄本佑、森山未來らトリプルライダーのスペシャル鼎談が解禁

<池松壮亮、柄本佑、森山未來の鼎談>

――お三方は古くからのお付き合いなのでしょうか

【写真を見る】池松壮亮、柄本佑、森山未來が和気あいあいとトーク
【写真を見る】池松壮亮、柄本佑、森山未來が和気あいあいとトーク[c]石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

森山「僕と池松くんは今回が初共演です」

柄本「僕と池ちゃん(池松)は過去に映画『夜のピクニック』のときに一緒にやらせてもらいましたが、すれ違ったくらいでした。今回がほぼ初共演です。(森山)未來さんとは色々な会場で偶然会って話して、ということはありましたが、同じシーンに存在していることは初めてです」

――本作で共演すると知ったときのお気持ちはいかがでしたか?

池松「とても嬉しかったです。敵味方はもちろんありますが、これ以上ないメンバーで『この3人で「シン・仮面ライダー」を作っていくんだ』と思うとワクワクしました。みんな30代ですし」

柄本「そうそう。テレビシリーズの『仮面ライダー』はもっと若い子たちがライダー役をやる印象ですが、こういう世代の僕らが仮面ライダーをやれるのはおもしろそうだと感じました。現場に入ってからのナチュラル感は最初からできあがっていました」

森山「この皆さんとできるのがすごく楽しみであると同時に、庵野秀明さんがどういう演出で世界観をまとめてくるのかを知っておきたいと思いました。決めないなら決めない、わからないならわからないでいいけど、どういう体制なのかを前もって知っておきたかった。スーツアクターでなく演者が変身後もアクションを行うかもしれないという話だったので、芝居しながら戦うのか、殺陣をどう付けていくのかを打ち合わせたいと思い『1回、3人で話せませんか』と提案しました。どういうふうに芝居の質感を作っていくのか、例えば劇画調なのかナチュラル目でいくのかを知る場にはなったけど、その答えも基本的には僕らに委ねるというものでした。

現場でもそうでしたが、ある演出やシチュエーションみたいなものは骨組み的にはあるけれども、どう肉付けしていくのか、その入口は庵野さん以外のスタッフや僕ら俳優が作ります。僕が現場へ入る前におふたりはすでに体験されていたし、『そういうものになるだろうな』という想定は僕のなかにもありました。与えられた本や演出で自分たちが受け身でいればよいというより、もうちょっと自発的、能動的な空気感になりそうというのはみんなシェアしていたのかなと思います」

――クライマックスの本郷、一文字、イチローのバトルシーンは、お三方を中心に考案していったと伺いました。庵野さんから「泥仕合」という差し込み原稿(※現場で追加される台本)も入ったそうですね

1971年版「仮面ライダー」をベースにしたオリジナルストーリーとなる
1971年版「仮面ライダー」をベースにしたオリジナルストーリーとなる[c]石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

池松「『泥仕合』はキーワードになりました」

柄本「その日に撮りたいとなって段取り(※本番前に行う動きの確認)が始まったら『変えたい』となって、現場で調整するための待ち時間が発生し、3~4時間経って『1回持ち帰って明日にしましょう』となりました。僕は誰かがぽつぽつとしゃべったりしゃべらなかったり、20分くらい間(ま)がある時間が割と好きです。「どうしたらいいかわからないから考える」という部分も含めて、そういった“ひねり出す”時間が作品を作ると思います。いまって、現場であそこまで悩める時間がないですから」

池松「そうですよね。贅沢な時間でした。学生映画をやっていたころを思い出しました」

柄本「もちろん大変だし苦悩する時間でもあるし、辛い時間でもあるけど、ああいった時間がやっぱりないとなとは思います」

森山「『ドキュメント「シン・仮面ライダー」〜ヒーローアクション挑戦の舞台裏〜』で描かれたように、アクション監督の田渕景也さんとアクション稽古をしたり絵コンテやアクション映像を作って…というやり取りは撮影スタジオに入るまでずっと続いていましたね」

池松「そうですね。それを繰り返して泥仕合にたどり着いたようなところがありました。目まいのするようなあの過程を通ったからこそ見つかったと思います」

森山「田渕さんたちと僕がアクション練習をしているのと並行して撮影は行っていて、そのなかでどんどん変わっていったんだろうなとは体感として持っていました」

――今回、仮面ライダーのマスクやスーツを着ると可動域もかなり限定されたなかでのアクションシーンだったようですね

それぞれが作品への想いを語った
それぞれが作品への想いを語った[c]石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

森山「合皮とはいえ、引っ張られるので動きに制限はかかりますし、汗をかくけど熱が逃げないから蒸れるし、冷えても水分が揮発しないからただただ身体が固まっていくという……(笑)。しかも脱ぎ着するのが面倒くさいからそのまま待機しちゃうんです。身体に悪いことをずっとやり続けた感じでした(笑)」

柄本「身体が固まっちゃうから、座付きのマッサージ師さんがついてくれていましたよね。池ちゃんは最初足をひねっていたけど、その辺りのケアもしていただきました。その方がめちゃくちゃうまくて…」

池松「本当に。全治を1ヶ月早めてくれました。現場についてくださった数名の先生たちには感謝しきれません」

――森山さんはチョウオーグ/仮面ライダー第0号の動きをどのように考案されたのでしょう。瞑想=チャクラを練るといったことがキーワードになっていったと伺いました

森山「動きに関してはそうですね…。本編では使われなかった部分が多いのですが、変身前の基本的な動き方は瞑想や、『プラーナ』というキーワードから考えていきました。プラーナはサンスクリット語で『大気中に存在しているエネルギー』といったような抽象性のある言葉ですが、プラーナを呼吸なのか、体内に取り込んで循環するという考えで動きを作れたらおもしろいんじゃないですか、という提案はしました」

――現場では、ミリ単位で池松さん、柄本さんのマフラーの位置調整があったと伺いました。森山さんも同様だったのでしょうか。

森山「僕も同様にありました」


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