壮絶な復讐計画『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』藤井の胆力に脱帽『最後まで行く』など週末観るならこの3本!

コラム

壮絶な復讐計画『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』藤井の胆力に脱帽『最後まで行く』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、ドムとファミリーが幾多のミッションを切り抜ける人気カーアクションシリーズ第10弾、ある男の最悪な96時間を描くノンストップ・サスペンス・アクション、ブラムハウスが贈る白人至上主義の女性たちが織りなす地獄絵図の、ドキドキさせられる3本。

次なる完結編への期待を大いに煽る…『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(公開中)

積年の恨みを募らせるダンテがファミリーの前に立ちはだかる(『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』)
積年の恨みを募らせるダンテがファミリーの前に立ちはだかる(『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』)[c] UNIVERSAL STUDIOS

21世紀を爆走し続けたアクション「ワイルド・スピード」シリーズも、フィナーレに近づいてきた。本作は、その前章。主人公ドミニク(ヴィン・ディーゼル)と彼のチームに迫る新たな敵ダンテ(ジェイソン・モモア)は、麻薬王である父を殺した彼らへの復讐に燃えている。頭脳明晰にして、一方ではとんでもなくクレイジー。そんなダンテを相手に、ドミニクらはどう立ち回るのか?

実のファミリーと、仲間というファミリーを守ろうとするドミニクの戦いは、今回もアツい。ローマでの爆弾チェイス、リオでのストリートレースなど、カーアクションの見せ場も盛りだくさん。さらにラストには嬉しいサプライズもあり、次なる完結編への期待を大いに煽る。この爆走に、今回も飛び乗るしかない!(映画ライター・有馬楽)

役者の味を絞り出し、独自の世界観を確立…『最後まで行く』(公開中)

【写真を見る】ある事故をきっかけに岡田准一扮する刑事に次々とトラブルが降りかかる『最後まで行く』
【写真を見る】ある事故をきっかけに岡田准一扮する刑事に次々とトラブルが降りかかる『最後まで行く』[c]2023映画「最後まで行く」製作委員会

超力作『ヴィレッジ』(23)が公開になったばかりの藤井道人が、韓国で2014年に製作され大ヒットを記録したクライム・サスペンスをリメイク。原作映画は第67回カンヌ国際映画祭監督週間に招待され、さらに中国やフランスでもリメイクされている。元ネタが秀逸なのは疑いないが、勝負は、どう日本版として味を出すか。大枠の展開はなぞりながらも、岡田准一を主演に据え、悪役に綾野剛を配して役者の味を絞り出し、独自の世界観を確立した。藤井の胆力に脱帽!

岡田扮する刑事が、間違えて轢き殺した男の遺体を、どこにどう隠すかで右往左往する冒頭からハラハラとクスクスが連発。物語は二転三転しながら、たるむことなく一気に最後まで駆け抜けていく。カッコ良さを消した岡田の這いずり回る感、焦りや緊張によるイヤ~な汗の臭気を感じさせる熱演、そこに岡田の十八番であるオフビートな笑いを生む“抜き“も絶妙に生きている。終盤、綾野剛演じる悪徳警官との一騎打ちの激しさったら‼韓国オリジナル版の悪徳警官も“しつこかった“が、本作の綾野はそれ以上!ダメ男の再生物語というドラマ色の打ち出し、異なるエンディングにも藤井の主張が込められる。エンドレスな死闘のはて――予想以上の満足感を得られるハズ!(映画ライター・折田千鶴子)


不満や悪意を暴発させていく集団心理の恐ろしさ!…『ソフト/クワイエット』(公開中)

社会に蔓延る人種差別が引き起こす狂気をワンショットで描きだす『ソフト/クワイエット』
社会に蔓延る人種差別が引き起こす狂気をワンショットで描きだす『ソフト/クワイエット』[c] 2022 BLUMHOUSE PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

ホラー&スリラーのジャンルには、「いかなる悪霊や怪物よりも人間が怖い」と言われる作品が存在する。『ゲット・アウト』(17)などを世に送りだしてきたジェイソン・ブラムがプロデューサーを務めた本作は、まさにそれ。郊外の幼稚園に勤める教師エミリーが、人種差別的な思想を共有する地元の主婦らと白人至上主義のグループを結成。そんな彼女たちがアジア系移民の姉妹とのトラブルをきっかけに、取り返しのつかない惨劇を引き起こしていく様を映しだす。

一見どこにでもいそうな普通の市民が、日頃ため込んだ社会への不満や悪意を暴発させていく集団心理の恐ろしさ!しかも新人女性監督のベス・デ・アラウージョは、自らのオリジナル脚本に基づく92分の物語を全編ワンショットで映像化した。迫真のリアリティー、そして並外れた完成度の高さに貫かれたクライム・スリラーに戦慄せよ!(映画ライター・高橋諭治)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼

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