北野武監督、『首』のカンヌ・プレミア上映に感激「役者さんたちは本当によくぞやっていただきました」
『アウトレイジ 最終章』(17)以来6年ぶりとなる“世界のキタノ”こと北野武監督の最新作『首』(11月23日公開)が、第76回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミアで公式上映され、北野監督、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋が、5月23日(現地時間)に 行われたフォトコール、レッドカーペットアライバルとその後の『首』公式上映に登壇した。
北野監督が『ソナチネ』(93)と同時期に構想し、30年もの間、温めてきた本作は、“本能寺の変”を戦国武将や忍、芸人や百姓といった多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描く、“北野ワールド”全開の一本。北野監督自らが羽柴秀吉役を演じ、明智光秀役に西島、織田信長役に加瀬、黒田官兵衛役に浅野、羽柴秀長役に大森、秀吉に憧れる百姓の難波茂助役に中村など、豪華キャストが集結した。
公式イベントの前日、22日にはフランスのカンヌにあるラ・スイート サンドラ&コ-で、北野監督筆頭に6人揃ってメディアの合同取材会へ。北野監督は「映画人にとって、カンヌ国際映画祭は、ステータス。ここに来られただけでも光栄」と喜びを見せた。
西島は「20年前に『Dolls』で、北野監督にヴェネチア国際映画祭に連れて行っていただいて、今回は初めてのカンヌ国際映画祭に連れて来ていただいた。映画の祭典として大きなイベントだと改めて感じましたし、大きな経験として学んで帰りたい」と、初めてのカンヌへの期待を語った。
加瀬は「最初に来た時の印象と今回は随分違って、より盛り上がりを感じている。北野監督の新作で、皆で来られてうれしい」と歓喜すると、 中村は「僕は初めてのカンヌで、昨日着いてすぐに大森さんとこの辺を散歩したけど、夜中までえらい盛り上がりだった」と現地の雰囲気を伝え「これから上映会もあり非常に楽しみ。連れて来ていただいて光栄です」と初のカンヌの雰囲気を噛みしめた。
浅野は「今回監督の作品で来れた事がうれしいですし、また強烈な作品でご一緒できてうれしい」と、前回は大島渚監督の『御法度』(99)で、役者として参加した北野と訪れたカンヌを想起し「同世代の俳優で来られて本当にうれしい」とコメント。大森も「僕も北野監督の作品で初めて来られてうれしくて、楽しみでした」とコメントするなど、キャスト陣も北野監督と一緒にカンヌの地に降り立つことができ、感無量の様子だった。
翌23日15時ごろ、同じくカンヌにあるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレに集まった6人。カンヌの青空に映える、 真っ白なジャケットをまとった北野監督をはじめ、爽やかなカンヌの様相に相応しい装いで登場。各国の報道陣を前に6人は堂々たる表情で撮影に応じ、時折談笑するなど終始リラックスした様子を見せた。その後、圧巻のレッドカーペットが敷かれた会場に移動すると、6人はフォトコールでのカジュアルな装いとはうって代わり、北野監督を筆頭にタキシードとなり、中村は紋付袴姿の正装で登場した。
北野監督は『アウトレイジ』以来13年ぶりのカンヌということもあり、貫禄たっぷりに堂々と歩き、「キタノー!」という熱狂的なファンの歓声に手を振る姿も。そしてカンヌ国際映画祭代表のティエリー・フレモーと熱い抱擁を交わし、再びカンヌの地での再会を喜び合った。その後、ドビュッシー劇場にて、日本実写作品として初の選出となる「カンヌ・プレミア」部門としての公式上映、世界最速上映となるワールドプレミアがついに開催された。