清水崇監督、生駒里奈、川添野愛に『忌怪島/きかいじま』撮影秘話を直撃!“清水組”は「熱量がとても高い」
「自然のなかにいると細胞が燃えるというか、潜在的な力が発揮できるタイプ」(川添)
――現場でのエピソードについて伺っていきます。撮影されていて、「怖!」となる瞬間はなかったですか?
生駒「なにか怪奇現象でも起こっていれば、こういった場でお話しできたのですが…」
川添「残念ながら…」
清水「オーディションでイマジョ役が決まった禱キララちゃんは、奄美大島へ着いた矢先に、会った事も無い奄美大島出身のお爺様の夢を見て、普通に会話した…不思議な縁!って話をしてくれてました(笑)」
川添「私は腕にフジツボがびっしりと纏わり付くメイクをしてもらいましたが、それは本当に気持ち悪かったです!」
生駒「特殊メイクであんなにリアルになるんだね。フジツボはちょっと集合体恐怖症を引き起こしそうでした…」
――ロケ地となった奄美大島には、どのくらい滞在していたんでしょうか?
川添「全部で1か月ぐらいだと思います」
生駒「別のお仕事がある人は途中で本土に戻ることもあったので、行ったり来たりでした。私も一度、仕事で戻ったのですが、早く島に戻りたい!という気持ちになったのが意外でした」
清水「生駒さんに出ていただくことが決まったのが撮影間近だったので、決まってからはあれよあれよという間に奄美大島に来てもらったよね」
生駒「はい、『撮るよ』と言われた数日後には島にいました(笑)。以前、お仕事でグアムに行ったことはあるのですが、その時は団体行動ですし、ずっとカメラが回っていたので。自分が行きたい場所に行く時間はもちろんなかったですし、炎天下で日陰がなかったりしたこともあったので、“島”はちょっと辛い思い出だったんです」
川添「生駒ちゃん、日光に当たっちゃダメじゃん!」
清水「『私、日焼けダメなんです』と撮影前からずっと言ってたよね」
生駒「そう、日に当たると溶けちゃうんです…(笑)。極力、誰よりも日陰を求めています。虫に関しても、刺されるとアレルギー反応みたいに、しばらく皮膚が赤くなってしまうんです。でも、奄美での撮影はとにかく楽しかったです。キャストのみんなはいい人ばかりで、清水監督もちょっと変な人だけど(笑)、すごくおもしろくて。楽しい思い出ばかりだったので、島に対する苦手意識もちょっと克服できました。その日の撮影が終わると、満足して家…じゃない、ホテルに戻って満足感に浸る、みたいな」
川添「いま、家って言ったよね!でも、すごくわかる」
――川添さんはいかがでしたか?
川添「私は島とかアウトドアがすごく好きなんです。自然のなかにいると細胞が燃えるというか、潜在的な力が発揮できるタイプで、なんの心配もありませんでした(笑)」
生駒「すっごい、エンジョイしてたもんね」
清水「川添さんがタフなので、お風呂で怖い目に遭うシーンに挑戦してもらったり、腕にフジツボを付けてもらったりしました(笑)」
「平岡祐太さんが雨男で気づいたら一週間近く撮影がない、なんてことも」(川添)
――現場の空気のよさが伝わってくるようです(笑)。では逆に、島での撮影ならではの大変だったことはありますか。
川添「奄美は雨が多いので、天気にはかなり振り回されましたよね」
清水「そうですね。雨だけじゃなく、波の高さも干潮で毎日違ってくるので悩みの種でした。浅瀬に鳥居を立てて撮影するのですが、そのままだと日によって海に浸かっている位置が変わってしまうんですよ」
川添「シーンとシーンがつながらなくなったり…」
清水「そうそう。なのでカットごとにちょこちょこ移動しながら、ベストな状態になるまで、キララちゃんにイマジョのメイクをしたままで待機してもらうこともありました」
生駒「個人的には、波は自然のものなので、つながりが悪くてもしょうがないのかな?と思っていたのですが、監督やスタッフさんたちが試行錯誤されているのを見ていて、気が付くと自分も『頑張れ!』と応援していました」
清水「とにかく日々、天気と干潮時刻をチェックしていました。せっかく波がいい感じでも、雨が降っていると撮影できないので、役者のみんなを動かせなかったことも多々あり」
川添「(VRチームのメンバーの一人である山本春樹役の)平岡祐太さんが雨男みたいなところがあって。気づいたら一週間近く撮影がない、なんてこともありました」
生駒「本当に雨男!(笑)平岡さんが現場に入ると、雨が降り始めて中止になっちゃう(笑)」
清水「平岡さんには、『監督、この島で行くところがなくなりました』って言われたこともあって。僕は準備に追われて、撮影以外はホテルの部屋にずっと缶詰めだったので、この野郎!って心のなかで思いましたよ(笑)。みんなはお酒を飲んだりして楽しそうだったな…」
生駒「監督は本当にお休みがなくて、かわいそうだなと思っていました」
清水「浜で拾って、バスルームで飼育していたヤドカリぐらいしか憩いはなかったですね」
――ヤドカリを飼ってらっしゃったんですか?
清水「はい(笑)。そのヤドカリたちでオーディションをして、笹野高史さん演じるシゲさんの部屋を這うヤドカリとして登場させたんです。部屋に帰って来ると、バスルームの方から『カリカリカリカリ』って音で出迎えてくれるんだよね。たまに逃げ出す奴もいて、ベッドの下を捜してみたり。最後はきちんと、一匹たりとも残さずに海に返しましたよ。ヤドカリは島じゃ神さまらしいですし」
川添「長い滞在だったので、それぞれがホテルの部屋を自分の家のようにカスタマイズしていましたね。私はお花を飾っていました」
生駒「私は、ネットショッピングで買った荷物を届けてもらったな」