清水崇監督、生駒里奈、川添野愛に『忌怪島/きかいじま』撮影秘話を直撃!“清水組”は「熱量がとても高い」
「ここまで一つの作品に向き合って、みんなで一緒に作っていくという経験は初めて」(生駒)
――長期間の共同生活を経験することで、劇中同様にチームとしての一体感も育まれたのではないでしょうか。
生駒「チームメイトが劇中で死んじゃうところは、本当に悲しい気持ちになりましたね。亡くなったメンバーの遺体を前にして私たちが泣くシーンを撮ったのですが、その前日に野愛ちゃんとそのメンバーでご飯を食べに行っていたんです。『昨日、あんなに楽しかったのに、どうして…?』みたいな気持ちに」
川添「しかも、朝のすごく早い時間だったよね」
生駒「私も野愛ちゃんも頑張って気持ちを作っていたんですが、監督は野愛ちゃんにグイっと指導なさっていましたよね」
川添「確かに!『川添さんはこういうの得意でしょ。泣くのとかさ』って」
清水「『泣くのが得意な人っているんですか?』って怒られたね(笑)。でも、泣くのが得意な役者さんっているんですよ。僕もこの涙には気持ちが入ってないなって感じちゃうと、できるまで言ってしまうんですよね。出来ない人にはすぐ冷たく諦めますが。結果いい映像は撮れたのですが、編集でバッサリとカットしちゃうという…」
川添「そう!本当にバッサリいかれていました」
清水「物語の流れ上、カットしないとどうしてもリズムが悪くなってしまって…ごめんなさい」
生駒「いろいろありましたね。でも、みんな本当に仲が良かったですし、なにより清水組の現場は、良い作品を作ろう!という熱量が高くてとても勉強になりました。私自身、映画は何度か経験させていただいたのですが、ここまでの期間一つの作品に向き合って、みんなで一緒に作っていくという経験は初めてでした。『映画作りって楽しい!』と心から思えたので、今後はもっと映画のお仕事もしていけるように頑張りたいです」
「普段あまりホラーを観ない方にも作品が広がってくれたらうれしいです」(清水)
――お2人は完成した作品をご覧になって、怖いと思われましたか?
生駒「私たちは撮影の裏側を知っているので、あまり怖いという感情は湧いてこないんです。でも、メイクさんから『怖くて観られない…』といった感想もいただいたので、ちゃんと怖いホラーに仕上がっているんだなと安心しました」
川添「怖さよりも人間ドラマに感情移入して観てしまいますね」
生駒「試写の時、泣いたよね…」
川添「泣いた、泣いた!」
清水「ホラーファンや出演されている役者さんのファンの方には、以前から『忌怪島/きかいじま』をチェックいただいていたと思うのですが、普段あまりホラーを観ない方にも作品が広がっていってくれたら、とてもうれしいですね」
取材・文/平尾 嘉浩