作品との親和性が“バズり”の要因に…アニメ「【推しの子】」と主題歌「アイドル」の相乗効果をひも解く|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
作品との親和性が“バズり”の要因に…アニメ「【推しの子】」と主題歌「アイドル」の相乗効果をひも解く

コラム

作品との親和性が“バズり”の要因に…アニメ「【推しの子】」と主題歌「アイドル」の相乗効果をひも解く

テレビアニメ「【推しの子】」と、YOASOBIが手掛けた主題歌「アイドル」が大ヒット。同曲は、史上最速で再生回数1億回を突破したほか、6月10日付の米ビルボード・グローバル・チャート「Global Excl. U.S.」で日本語楽曲史上初の1位を獲得。SNSを開けばどこかで必ず「アイドル」が流れるほど。また、PARCO FACTORY(池袋PARCO本館7F)にて開催中の「TVアニメ【推しの子】展 嘘とアイ」には、連日多くのファンが詰めかけている。

芸能界を舞台に伝説のアイドルの死にまつわる物語が展開される「【推しの子】」

「【推しの子】」は、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」などで知られる赤坂アカが原作、「クズの本懐」などの横槍メンゴが作画を手掛ける漫画をアニメ化した作品。2020年から「週刊ヤングジャンプ」で連載がスタートし、現在コミックス11巻まで発売されている。物語は、若くして命を落とした人気アイドルのアイ(声:高橋李依)の遺児、双子のアクア(声:大塚剛央)とルビー(声:伊駒ゆりえ)が芸能界で活躍していく物語。アイの死の真相を探るミステリー要素を軸に、アイドル業界をはじめ、映画やドラマ制作の裏側も描かれることで人気を博し、数多くの漫画賞に輝いている。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の赤坂アカと「クズの本懐」の横槍メンゴのタッグによる漫画をアニメ化した「【推しの子】」
「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の赤坂アカと「クズの本懐」の横槍メンゴのタッグによる漫画をアニメ化した「【推しの子】」[c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

様々な視点から見たアイの姿を歌詞にした主題歌「アイドル」

本作の主題歌「アイドル」を手掛けるYOASOBIは、小説など物語を原作に楽曲を制作するユニットとして、数多くのヒット曲を生みだしてきた。「BEASTARS」第2期オープニングテーマ「怪物」は、原作者の板垣巴留による書き下ろし小説「自分の胸に自分の耳を押し当てて」、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」Season1のオープニングテーマ「祝福」は、脚本&シリーズ構成を手掛ける大河内一楼の書き下ろし小説「ゆりかごの星」を元に制作されていた。「アイドル」は、赤坂アカによる書き下ろし小説「45510」を基にしている。


【写真を見る】YOASOBIによる主題歌「アイドル」は、チャートイン9週目にして史上最速で再生回数2億回を突破!
【写真を見る】YOASOBIによる主題歌「アイドル」は、チャートイン9週目にして史上最速で再生回数2億回を突破!

小説「45510」は、伝説のアイドル、アイが所属したアイドルグループ「B小町」の元メンバーの視点によって、アイが語られていくというもの。楽曲の歌詞は、「45510」をベースにしながら、アイの視点、B小町の元メンバーの視点、ファンの客観的な視点で構成され、アイドル=アイがなんたるかが表現されている。アクア、ルビーというワードや、アニメ第1話でアイが最期に言葉を残すシーンも引用されている。また、“アイドル様”と様付けした表現には、偶像=アイに対する、信仰と皮肉の両方の意味が込められていて絶妙。アイの生涯が描かれた第1話のラストで初めて、「アイドル」が流れた時のインパクトは絶大だった。

第1話で退場するも圧倒的な存在感が際立つアイ
第1話で退場するも圧倒的な存在感が際立つアイ[c]赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

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