「ミッション:インポッシブル」シリーズのお決まりといえばコレ!?作品ごとに趣向が凝らされた”マスクベリベリ”シーンを振り返り
CIAの極秘諜報部隊であるIMF工作員、イーサン・ハントの活躍を描くトム・クルーズ主演の人気シリーズ完結作前編『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が、ついに7月21日(金)に公開される。不可能作戦に挑むスパイチームを題材としたこのシリーズのお決まりといえば、マスクをベリベリと剥いで正体を明かす変装シーンの数々。この“マスクベリベリ”シーンと共にシリーズを振り返っていきたい。
イーサン初登場シーンなど1作目ではマスクが大活躍!
巨匠ブライアン・デ・パルマ監督がメガホンを握った記念すべき1作目『ミッション:インポッシブル』(96)では、極秘任務に挑んだものの謎の襲撃者によってチームが壊滅するなか、裏切り者の濡れ衣を着せられたイーサンが自らの潔白を示そうと奔走する。
記念すべき第1回目のマスク剥がしは、映画の冒頭も冒頭、老人がある男からスパイの名前を聞きだすという一幕。老人がマスクを剥がすとイーサンが姿を現すという鮮烈な初登場シーンで、ベースとなったドラマ「スパイ大作戦」のファンへの目配せ的な意味合いもあった。
さらにチームが壊滅してしまう極秘任務でのイーサンの変装に加え、裏切り者と思しきクレア(エマニュエル・ベアール)を、チームリーダーでクレアの夫フェルプス(ジョン・ヴォイト)へと変装したイーサンが罠にかけるクライマックスなど要所で用られ、抜群の存在感を示した。
敵もイーサンに変身…変装合戦の応酬となる『M:I-2』
ジョン・ウー監督が、2丁拳銃アクションなどシリーズ随一のケレン味と共に描いた2作目『M:I-2』(00)。アンブローズ(ダグレイ・スコット)率いるテロ組織によって盗まれたキメラウイルスとその治療薬を奪還すべく、イーサンが、アンブローズの元恋人であるナイア(タンディ・ニュートン)の力を借りながら、組織を壊滅しようと奮闘するという内容だ。
ウイルスと治療薬の開発者であるネコルヴィッチ博士(ラデ・シェルベッジア)を護送するイーサンが、飛行機内で彼を殺すというショッキングなシーンで幕を開ける本作だが、お察しの通り、その正体は過去にイーサンの替え玉をしていた元IMFのアンブローズ。さらに接近してきたナイアを怪しんでイーサンになりすましてその正体を突き止めるなど変装が物語の鍵を握っている。
さらに、死んだはずのネコルヴィッチになりすましてテロの鍵を握る製薬会社CEOのマクロイ(ブレンダン・グリーソン)から情報を聞きだすなど、マスク変装が大活躍。
極めつけはクライマックス、敵アジトに潜り込むも捕まってしまったイーサンに向けアンブローズが銃を撃つも、それはイーサンのマスクを被らされた部下。逆に敵の皮を被ったイーサンは一瞬の隙をついて治療薬を盗みだすと、マスクをベリベリと剥ぎながら施設から走り去るというインパクト抜群なシーンだった。
ハイテク機器によるマスク製作の過程もユニークな『M:i:III』
J・J・エイブラムスが監督した『M:i:III』(06)では、現役を退き教官として平穏な日々を送っているイーサンが、教え子がブラックマーケットの商人デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)に拉致されてしまい現役復帰。さらには妻ジュリア(ミシェル・モナハン)まで拉致され、彼女を救うべく奮闘する。
ある情報を盗みだすためにイーサンがデイヴィアンになり代わるという任務でマスクが使われるが、今作ではミッション中に撮影したデイヴィアンの写真をもとに、数分でマスクが出来上がる過程も描かれており、マスクの完成がミッション遂行に間に合うのか?というハラハラ感も楽しむことができる。また、マスクを被ったイーサンとデイヴィアンが顔を合わせる様子もユニークだった。
さらにイーサンが拷問を受けるシーンでは、いたぶりの手段として妻ジュリアが目の前で殺されてしまうショッキングな展開が繰り広げられるが、彼女の顔をベリベリと破くとその下からヘマをしたデイヴィアンの部下の死体が…。ジュリアでなかったことにホッとしつつも、デイヴィアンの冷酷さにゾッとさせられる見せ場だった。
部分的な変装が新鮮な4作目『~ゴースト・プロトコル』
ブラッド・バードが監督を務めた4作目『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(11)。潜入捜査先のクレムリンで発生した爆破への関与が疑われるイーサンら一行が、IMFが閉鎖され後ろ盾のない状態で、黒幕を見つけるべく奔走するというストーリーが繰り広げられる。
このクレムリン潜入ミッションでロシアの将校に化けるイーサンだが、今回は特に誰かになり代わるわけではないので、フルマスクではなくつけヒゲなど部分的な変装のみで任務に臨んだ。また一緒に潜入するベンジー(サイモン・ペッグ)が「マスクで変装をしたかった」と漏らすシーンがあり、このベンジーの“マスク憧れ”はネタとして以降の作品で何度も登場することになる。
なお爆破事件の黒幕であるヘンドリクス(ミカエル・ニクヴィスト)の使者であるウィストロムがイーサンから逃げるが、実はその正体はヘンドリクス本人だったという一幕で、フルフェイスのマスクベリベリもしっかり登場した。