『To Leslie』主演女優の思わぬオスカー候補で、監督が確信した俳優たちの“願い”「レスリーのような役への渇望感がある」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『To Leslie』主演女優の思わぬオスカー候補で、監督が確信した俳優たちの“願い”「レスリーのような役への渇望感がある」

インタビュー

『To Leslie』主演女優の思わぬオスカー候補で、監督が確信した俳優たちの“願い”「レスリーのような役への渇望感がある」

初めての長編映画を撮り、思わぬ注目を集める監督がいる。『To Leslie トゥ・レスリー』(6月23日公開)のマイケル・モリスは、間違いなくその一人だろう。宝くじで19万ドルの高額賞金に当選する奇跡に恵まれるも、その賞金を酒などで使い果たし、大切な一人息子とも離ればなれになったシングルマザーのレスリー。そんな彼女が6年ぶりに息子と再会し、人生を立て直そうとする物語だ。今回、そんなモリス監督にインタビューを敢行。初映画監督作が予期せず脚光を浴びたこと、そして作品に込めた想いについてなど、話を訊いた。

脚本家が「母親へのラブレター」として書いた脚本との出会い

ロンドン出身で、アメリカへ渡ってから舞台監督としてのキャリアを重ね、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」や「ベター・コール・ソウル」などドラマシリーズの製作や監督を手がけてきたモリス。「長年、望んでいたのが劇場用映画の監督。そのためには自分に最適な物語やテーマを見つけなくてはならない」と慎重を期して、ようやく出会ったのが、ライアン・ビナコが書いた『To Leslie トゥ・レスリー』の脚本だった。

地元であるテキサスの田舎町で、レスリーは人生の再起を図ろうとする
地元であるテキサスの田舎町で、レスリーは人生の再起を図ろうとする[c]2022 To Leslie Productions, Inc. All rights reserved.

ビナコが「母親へのラブレター」として書いたというこの物語。レスリーは再会した息子から金を盗み、相変わらず酒に溺れてしまうなど、見るからに“イタい”キャラクターなのだが、モリスは監督するにあたり、ビナコの思いをまっすぐに受け止めた。「『自分の人生をめちゃくちゃにしたけど、やっぱり母親に会いたい』という息子の感覚を忘れず、欠点のある人間をありのままに受け入れ、寄り添うことにしました」と演出の意図を振り返る。

名だたるドラマを生み出してきたマイケル・モリスは本作が長編劇場映画初監督
名だたるドラマを生み出してきたマイケル・モリスは本作が長編劇場映画初監督[c]2022 To Leslie Productions, Inc. All rights reserved.

この『To Leslie トゥ・レスリー』で圧巻なのは、主人公レスリー役、アンドレア・ライズボローの演技である。モリスは「脚本を読んだ直後に、アンドレアの名前をタイトルの下に書き込みました」と、一瞬で決めたことを告白。自身が監督と製作を務めたNetflixのドラマシリーズ「ブラッドライン」でライズボローの演技に敬服していたからだ。撮影が始まってからも「アンドレアの演技に感動した瞬間は数え切れませんでした」というモリス。


結果的にアンドレア・ライズボローは本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされる。そこで『To Leslie トゥ・レスリー』という作品にも一気に注目が集まったのだが、このノミネートは、ちょっとしたサプライズとしてニュースを騒がせた。

アルコール中毒のレスリーは、息子や友人たちからも見放されてしまうが…
アルコール中毒のレスリーは、息子や友人たちからも見放されてしまうが…[c]2022 To Leslie Productions, Inc. All rights reserved.
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