インディ・ジョーンズの相棒役に007脚本も!才能あふれる女優フィービー・ウォーラー=ブリッジって何者?

コラム

インディ・ジョーンズの相棒役に007脚本も!才能あふれる女優フィービー・ウォーラー=ブリッジって何者?

大ヒットアドベンチャーシリーズ第5弾『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』がついに公開! 『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(08)以来15年ぶりのカムバックとなる最新作では、インディが人生をかけて追い求めてきた究極の秘宝“運命のダイヤル”をめぐり、因縁の宿敵と壮大な争奪戦を繰り広げる。

【写真を見る】『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は6月30日(金)より全国劇場にて公開!
【写真を見る】『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は6月30日(金)より全国劇場にて公開![c] 2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

主人公である考古学者にして冒険家のインディ・ジョーンズを演じるのは、本作が最後のインディ役となるハリソン・フォード。そしてインディの相棒となるヘレナを英国人女優フィービー・ウォーラー=ブリッジが熱演!ということで、注目度爆上がり中の彼女の多彩ぶりについて紹介したい。

製作総指揮・脚本・主演を務めた「Fleabag フリーバッグ」で大ブレイク!

1985年にロンドンで生まれ、アンソニー・ポプキンスやアラン・リックマンを輩出した王立演劇学校で学んだウォーラー=ブリッジ。2007年に舞台演出家ヴィッキー・ジョーンズとシアターカンパニー「DryWrite」を共同設立し、2009年には舞台「ローリング・トレード」で俳優デビュー。現在はプロデューサー、脚本家、女優なと多方面で活動している。

出世作となったのは、彼女が製作総指揮&脚本&主演を務めたテレビシリーズ「Fleabag フリーバッグ」(Amazonプライム・ビデオで配信中)だ。原案は2013年に上演された一人芝居で、2016年にシーズン1、2019年にはシーズン2がBBCで放送された。ロンドンでカフェを営む30代女性のままならない生活を描いたこのシニカルなブラック・コメディはまたたく間に大評判となり、作品内で彼女が使用した小道具や着用した衣装の売り上げがアップする“フリーバッグ・エフェクト”という社会現象まで引き起こした。

6部門受賞のエミー賞では主演女優賞、脚本賞、作品賞の3冠に!(「Fleabag フリーバッグ」)
6部門受賞のエミー賞では主演女優賞、脚本賞、作品賞の3冠に!(「Fleabag フリーバッグ」)写真:EVERETT/アフロ

ウォーラー=ブリッジがこの作品で演じたのは、皮肉屋&性欲強めのフリーバッグ(=だらしない女)という役どころ。常識知らずで自分優先のハタ迷惑なヒロインだが、次第に彼女が抱える事情が明らかとなっていく。純情無垢とは到底言えないキャラクターではあるものの、カメラ目線で視聴者に話しかけるメタ的演出も相まって、知らずと感情移入し、夢中にさせられてしまう。そんな不思議な魅力にあふれたヒロインを体現した彼女は、英国アカデミー賞、プライムタイム・エミー賞、ゴールデングローブ賞など名だたる賞に輝き、女優とクリエイターの両軸で高く評価された。

シーズン2ではホットなイケメン神父と禁断のロマンス…?(「Fleabag フリーバッグ」)
シーズン2ではホットなイケメン神父と禁断のロマンス…?(「Fleabag フリーバッグ」)写真:EVERETT/アフロ

さらに2018年には、ルーク・ジェニングスの小説を原作とするサスペンスシリーズ「キリング・イヴ」シーズン1のショーランナーを務め、シーズン4まで続く大ヒットシリーズ化に貢献。その力量が認められた彼女は、「Fleabag フリーバッグ」の大ファンだったダニエル・クレイグたっての希望によりボンドシリーズ第25作目『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)の共同脚本というビッグプロジェクトに参加し、007シリーズ史上2人目の女性脚本家となった。

一方、女優としても着実に作品を重ねていく。ドーナル・グリーソンが作家A・A・ミルンに扮し、マーゴット・ロビーがその妻役を演じた『グッバイ・クリストファー・ロビン』(17)は、児童文学“くまのプーさん”の誕生秘話を描いた伝記映画だ。作者であるミルンの息子クリストファー・ロビンは本の出版によって突然世界から注目されてしまったことに戸惑うが、本作でウォーラー=ブリッジは英国タイムズ紙の女性記者として、出番は少ないながらもクセ強めのクラシカルなキャラクターに扮している。

声だけでなくモーションキャプチャーで動きも担当(『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』)
声だけでなくモーションキャプチャーで動きも担当(『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』)写真:EVERETT/アフロ

そして「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ作品第2弾『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)では、密輸業者ランド・カルリジアンの一等航海士であるドロイド「L3-37」役にトライ。このキャラクターはシリーズ史上初となる女性型ドロイドで、銀河随一のナビゲーションデータを持っているのが特徴だ。自由への意識が高いため反骨心が強く、怖いもの知らずという異色のドロイドの“中の人”になりきった。


ちなみに私生活では『スリー・ビルボード』(17)、『イニシェリン島の精霊』(22)のマーティン・マクドナー監督と交際中。もともとマクドナーの演劇作品のファンだったと彼女は明かしているが、同じ新進気鋭のクリエイター同士、響き合うものがあるのかもしれない。

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