吉永小百合と初共演の大泉洋、親子役に「吉永さんから生まれてきたとしか思えない」と自信!
日本映画界を代表する巨匠、山田洋次監督の90本目の監督作となる『こんにちは、母さん』(9月1日公開)。本作の合同記者会見&舞台挨拶が大阪市内で開催され、8年ぶりに山田監督作品の主演を務める吉永小百合と、山田組初参加となる大泉洋が登壇した。
テレビドラマ化もされた永井愛の同名戯曲を映画化した本作。仕事や家庭の問題に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉)は、久しぶりに母の福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れる。しかし、迎えてくれた母の様子がどうもおかしい。艶やかなファッションに身を包み、いきいきと生活し、恋愛までしている。久々の実家に自分の居場所がないことに戸惑う昭夫だったが、あたたかい下町の住民やこれまでと違う母と新たに出会うことで、次第に見失っていたことに気付かされていく。
「いまでは、吉永さんから生まれてきたとしか思えない」(大泉洋)
舞台挨拶の前にホテルニューオータニ大阪で行われた合同記者会見に出席した吉永と大泉。『母と暮せば』(15)以来の山田組参加となった吉永は、「監督から“孫のいる役はどうですか?”と提案をいただきまして、“大丈夫です”とお答えしたものの、どうも最初は掴みきれず。動作もテキパキしてしまって注意されたこともありました」と、これまでにない役どころに苦戦したことを告白。そして「いままでの山田組で描いてきた“お母さん”とは違う新しさを出せればと思い、演じておりました」と語った。
一方、吉永と初共演にして親子役を演じる大泉は「当初は“吉永さんから大泉は生まれない”というコメントをださせていただきましたが、撮影を経て、いまでは吉永さんから生まれてきたとしか思えない。札幌に帰って自分の母親を見ると違和感を覚えるくらいです」と笑いを交えながらコメント。そして初参加となった山田組の現場について「常に山田監督も真剣でしたし、厳しい演出が入る場面もあったので、緊張感がある現場でした」と充実感をあらわにした。
質疑応答で作品の魅力について訊かれると、大泉は「私のような世代の方が観れば、昭夫を応援したくなるような映画。もう一つの見どころは、やはり恋する母・福江の姿です。好きな人ができた母親の姿にハラハラする場面もあれば、最後は親子が前に進んでいこうとする姿に勇気づけられる」と語り、吉永も「手を取り合ったり語り合ったりすることが減ってきている時代のなかで、この映画から心のあたたかさのようなものを感じてもらえたらとてもうれしく思います」と述べた。