新時代のホラー短編7作を一挙上映!「第1回日本ホラー映画大賞」受賞7作品をプレイバック
大賞受賞作だけじゃない!ホラー映画界を担う“次代の才能”が続々
審査員特別賞を受賞したのは平岡亜紀監督の『父さん』。父親と2人暮らしの主人公が、自宅で発生する異音の原因を突き止めようとする姿を描いた8分の短編作品で、その完成度の高さに清水監督も「撮影現場も作り方も心得ているので、ホラー映画で驚かされることはほぼなくなっているのですが、この作品にはゾッとさせられました。すばらしいと思います」と脱帽。
また、自室のクローゼットが勝手に開いていることに気が付いた主人公の戦慄を、監督自ら自室を使い、たった一人で完成させた中野滉人監督の『closet』は、荒削りで尖ったセンスを持った作品に贈られる「ニューホープ賞」を受賞。前例のないアプローチに果敢に挑んだ作品に贈られる「株式会社闇賞」を受賞したのは、事件現場に到着した警察官2名に迫る異質な恐怖を描いた三重野広帆監督の『招待』。どちらも独特なホラーセンスが発揮された作品となっている。
ほかにも、江戸時代から伝わる妖怪“カラカサ”をモチーフにしたヤマモトケンジ監督の『傘カラカサ』は、YouTubeチャンネル「オカルト部」が選考する「オカルト部賞」を受賞。男性警備員が倒れている女子高生に触れたことから不可解な“何か”を目撃してしまう藤岡晋介&武田真悟監督の『私にふれたもの』は、優れたキャラクターの登場する作品に贈られる「豆魚雷賞」を受賞した。
そして、映画ファンに広く愛されるような作品を選出する「MOVIE WALKER PRESS賞」を受賞したのは、近藤亮太監督の『その音がきこえたら』。主人公が小学校の友人から誘われビデオ通話をしていると、当時の肝試しの話題があがり…。清水崇監督の「呪怨」シリーズを見てホラー映画作りを志したという近藤監督が手掛ける正統派の恐怖はJホラーファン必見だ。
ちなみに中野監督と三重野監督、ヤマモト監督、近藤監督の4名は、「第2回日本ホラー映画大賞」にも新作を応募し、それぞれ第1回の時とは異なる賞を獲得。近藤監督は念願の大賞を受賞している。次代のホラー映画界を担うであろう才能が集まった「日本ホラー映画大賞」。今回行われる受賞作上映会は、ホラーファンに限らずとも観逃せないものとなりそうだ。
「第1回日本ホラー映画大賞受賞作上映会」は、8月1日(火)から8月3日(木)までの3日間。連日19時10分より開演となり、上映前には監督たちの舞台挨拶も予定されている。7月28日から7月31日(月)までの「第2回日本ホラー映画大賞受賞作上映会」と合わせて、是非足を運んでみてほしい!
文/久保田 和馬