アニメから王道ホラーまで、進化を遂げた「第2回日本ホラー映画大賞」受賞9作品をプレイバック!
型にはまらない新世代ホラー作家が続々登場!新人女優の鬼気迫る演技も必見
将来性を感じさせる作品に贈られる審査員特別賞を受賞したのは、受賞時19歳の川上颯太監督の手掛けた『いい人生』。わずか2人の登場人物によって紡がれる、既存の枠にとらわれないユニークな映像表現が脳裏に焼き付く一本。言葉では説明不可能な恐怖イメージの連続は、新世代ホラー作家の到来を予感させる。
また、第1回では該当作なしだったアニメ部門賞は、作り手の負のエネルギーが凝縮してホラーアニメを超えた悪夢的映像へと昇華させた奥田悠介監督の『学校が嫌いだ』が受賞。新たに新設された俳優賞にあたる「ホラーちゃんねる賞」は、選考委員の小出が激推ししたPOVホラー『彼は僕だったかもしれない』で徐々に狂気に染まっていく少女を迫真の演技で体現した新人の二色冬香に贈られた。
大賞受賞の近藤監督や『彼は僕だったかもしれない』のヤマモトケンジ監督に加え、造形美が光るホラーファンタジー『NEW GENERATION/新世代』で「ニューホープ賞」を受賞した三重野広帆監督、自室にセットした監視カメラに映る不可解な現象をミニマムな画面構成のなかで描ききった『The View』で「オカルト部賞」を受賞した中野滉人監督の4名は、第1回に続いて受賞を果たしている。「第1回受賞作上映会」で上映される彼らの前作とあわせて見ることで、その才能の進化を目の当たりにできることだろう。
ほかにも、河川敷で起きた思わぬ出来事からとんでもない事態へ発展していく様をテンポ良く描き、「株式会社闇賞」を受賞した鬼木幸治監督のホラーコメディ『FAAAWWW!!!』。王道のハウスホラーと、映画館での鑑賞にふさわしいこだわり抜かれた“音”で恐怖を増幅させる「豆魚雷賞」受賞作の比嘉光太郎監督の『絶叫する家』。
そして“バズる”動画を撮影するために廃墟に潜入した青年たちが味わう不気味な恐怖を丁寧に描き「MOVIE WALKER PRESS賞」を受賞した小泉雄也監督の『笑顔の町』と、第1回以上に多彩なタイプのホラー映画がずらりとそろっており、全9作品で総上映時間2時間33分。これまで味わったことのないようなホラー映画体験が待っているはずだ。
「第2回日本ホラー映画大賞受賞作上映会」は、7月28日から7月31日(月)までの4日間、連日19時10分より開演となり、上映前には監督たちの舞台挨拶も予定されている。8月1日(火)から8月3日(木)までは「第1回日本ホラー映画大賞」受賞作7作品の上映会も行われるので、ぜひ足を運び、新たな時代のホラー映画作家たちの才能をたっぷり味わってほしい!
文/久保田 和馬