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アニメから王道ホラーまで、進化を遂げた「第2回日本ホラー映画大賞」受賞9作品をプレイバック!

コラム

アニメから王道ホラーまで、進化を遂げた「第2回日本ホラー映画大賞」受賞9作品をプレイバック!

令和の時代の新たなホラー映画作家を発掘・支援するために、KADOKAWA主催のもとで2021年にスタートした「日本ホラー映画大賞」。その第1回と第2回の全受賞作品をスクリーンで目撃できる上映会が、7月28日(金)よりEJアニメシアター新宿にて開催される。そこで本稿では、2023年1月に授賞式が行われた「第2回日本ホラー映画大賞」の受賞作品を紹介しながら、上映会の見どころをチェックしていこう。

審査員特別賞を受賞したのは、19歳(受賞時)の川上颯太監督が手掛けた『いい人生』
審査員特別賞を受賞したのは、19歳(受賞時)の川上颯太監督が手掛けた『いい人生』

大賞受賞作の監督に商業映画監督デビューを確約した日本初のホラー映画専門フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」。第1回の大賞受賞作である下津優太監督の『みなに幸あれ』は、下津監督自らメガホンをとり、選考委員長の清水崇監督の総合プロデュースのもとで長編リメイクが制作され、先ごろ行われたプチョン国際ファンタスティック映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞。はやくも新たな時代を担うホラー映画作家を世に送りだしている。

選考委員長の清水を筆頭に、選考委員を務めたのは映像クリエイターのFROGMANや女優の堀未央奈、Base Ball Bearの小出祐介に、映画ジャーナリストの宇野維正、そしてコメディアンのゆりやんレトリィバァといった各界のホラーマスターたち。彼らは第一次選考を通過した作品を隈なく鑑賞したうえで選考会議に臨み、3時間を超える激論を交わしながら「大賞」と「審査員特別賞」、そして「アニメ部門」の3部門を決定。ほかに映画祭の運営委員会パートナーである各社がそれぞれの基準で選出した賞もあり、第2回では全9部門がそれぞれ異なる9作品に贈られた。

大激戦の末に選ばれた、第2回大賞受賞作は?

【写真を見る】心霊ビデオファンにはたまらない不気味さ…第2回大賞受賞作は『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』
【写真を見る】心霊ビデオファンにはたまらない不気味さ…第2回大賞受賞作は『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』

まずは第1回を超える大激論が繰り広げられた、第2回の選考会議を振り返ろう。6名の選考委員たちは、それぞれ第一選考通過作のなかから推したい作品を挙げていき、それぞれの作品の評価ポイントや作り手の将来性などについて2時間近く意見を交換した後、絞り込まれた3作品で決選投票を実施。しかしそれでも決まらずに、2作に絞って2度目の決選投票に。ところが今度は、3対3の同数で選考メンバーたちの意見は真っ二つに分かれてしまう。

そこからさらに議論が重ねられた末、満場一致で大賞に選ばれたのは、近藤亮太監督の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』。どこか懐かしくも不気味なVHSビデオの粗い画面に映しだされた背筋も凍るような映像は、日本のホラー文化に欠かせない心霊ビデオ作品を彷彿とさせる、近藤監督の手腕が光る1本に仕上がっている。


第2回で大賞に輝いた近藤亮太監督は、前作『その音がきこえたら』で第1回の「MOVIE WALKER PRESS賞」を受賞
第2回で大賞に輝いた近藤亮太監督は、前作『その音がきこえたら』で第1回の「MOVIE WALKER PRESS賞」を受賞

第1回日本ホラー大賞では『その音がきこえたら』で「MOVIE WALKER PRESS賞」を受賞した近藤監督。2度目の応募となる監督たちが多数見受けられた第2回のなかでも、「群を抜いていた」と清水監督は太鼓判をおす。すでに商業監督デビューに向けて動きだしている“Jホラーの正統後継者”近藤監督の才能を、劇場のスクリーンで目撃してほしい。

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