ジュノ&ホヨルが帰って来た!不条理な時代を鋭く撃つ「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン2の出来栄えは?
パク中士は除隊男性たちの人気者!?ソン・ソック扮するイム大尉は新たな姿で魅了
前作に引き続きキム・ソンギュン、ソン・ソックもまた、シーズン2に合流した。チョン・ヘインとク・ギョファンによる“ジュノヨル”のケミストリーはもちろん、二人の上司である捜査官パク・ボムグ中士とイム・ジソプ大尉の絶妙なコンビネーションもアップグレードし、目を引く。
パク・ボムグ中士を演じたキム・ソンギュンは「自身の信念と軍隊の規律との間で深く悩み、兵士たちを守ろうと行動する人物」として、ボムグの活躍に期待を集めた。リアリティあるボムグのキャラクターは、兵役を終えて除隊した韓国人男性の間では「本当に軍隊にいそう!」と大人気だったそうで、制作発表会では「軍畢(グンピル、兵役を終えて除隊した韓国人男性)たちのスターって、嬉しいことなのか?」と自身でツッコミを入れて会場を沸かせた。彼のこうした笑いのセンスもまた、「D.P. -脱走兵追跡官-」を盛り上げている要素のひとつだろう。
イム・ジソプ大尉を演じるのは、「私の解放日誌」のク氏役で爆発的シンドロームを巻き起こしたソン・ソック。再び演じるイム・ジソプ大尉というキャラクターを「シーズン2では彼を通じて様々なことを表現したい欲求があった。“責任感”という言葉で演技がしたかった」と意味ありげに語る。進級のためなら手段を厭わない野心家な軍人で、ジュノたちを守ろうとするパク・ボムグ中士としばしばぶつかっていたシーズン1のイム・ジソプ大尉だったが、シーズン2ではどんな姿を見せてくれるのだろうか。
「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン2には、シーズン1を輝かせたキャストだけでなく、フレッシュな顔ぶれも勢揃いした。ジュノたちが所属する103師団憲兵隊捜査課と対立する国軍本部所属のク・ジャウン准将に扮するのは、ベテラン俳優のチ・ジニ。同じく国軍本部のソ・ウン中佐は、精力的に活躍してきたキム・ジヒョンが務める。
また、韓国芸能界に現れた新星として名高いチェ・ヒョヌクも兵士シン・アフィ役として登場するなど、話題に事欠かない。プレビュー試写会では「俳優たちは時に穏やかに、時にエモーショナルに、キャラクターの深い苦悩を神経の行き届いた演技で表現している」と称賛の声が相次いでおり、役者たちが持つエネルギーの相乗効果が存分に発揮されたドラマに完成したことを予感させる。
気になるのは、「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン2の始まりが“第1話”ではなく“第7話”であることだ。その理由をハン・ジュニ監督は「シーズン1のラストにあったとても大きな事件を通じて、その後どのようにキャラクターが変わっていくのかを語りたかった」と説明した。ストーリーが途切れることなく繋がっていることを示す設定は、暴力や傍観者というテーマが軍隊だけで起きているのではなく、現実社会の普遍的な問題であることを私たちに考えさせ、作り手の真摯な態度を感じる。
ハン・ジュ二監督が拡張させたストーリーがどこへ広がっていくのか。そして、ジュノとホヨルがどんな活躍を見せ、成長していくのだろうか。さらに深く厚みを増した「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン2を、逃さずチェックしてほしい。
文/荒井 南