10周年を迎えた「日本統一」シリーズ!従来のVシネマとは一線を画す、“任侠女子”をも生みだした魅力とは?
一過性のブームではなく、広い層に支持され、確固たる地位を築いたVシネマの人気シリーズ「日本統一」。2013年8月にオリジナルビデオシリーズとしてスタートし、8月2日で記念すべき10周年を迎えた。
女性人気も獲得!グッズ、コラボカフェまでVシネマ発とは思えない広がり
累計80作を超えるこのヒットシリーズは、2020年以降コロナ禍での需要が増えて、任侠ものとしては異例の、女性誌で特集が組まれるほどの人気を獲得。女性ファンが急増し、“任侠女子”という言葉も生まれている。
2022年9月にはシリーズ初の劇場版となる『劇場版 山崎一門~日本統一~』も公開。出演者による“山崎一門”が主題歌を担当し「男の貧乏くじ」でCDデビューも果たした。同年10月からUHB北海道文化放送で初の連続ドラマ「関東統一 北海道編」がオンエア。さらに2023年4月からは日本テレビで連続ドラマ「日本統一 関東編」も放送され、LDHの青柳翔と藤原樹(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が刑事役で出演し、ここでもファン層の拡大に成功している。
ほかのVシネマや任侠作品との違いとも言える特徴の一つに、豊富なグッズ展開を挙げることができる。背番号と名前が入った山崎一門TシャツやW主演の山口祥行がデザインしたTシャツ、和風の渋さが際立つウォレットやさらにアクリルスタンドやアクリルキーホルダーまで、アイドル顔負けのラインナップがそろっている。
また今年3月に東京と大阪で展開した「日本統一」コラボカフェでは、侠和会組員考案のメニューが販売され、大盛況だったのも記憶に新しいところ。こういった取り組みからも、女性人気の高さをうかがうことができる。
争いをなくすため、2人の男が立ち上がる「日本統一」
さて、本題に入って「日本統一」とはどんな作品なのかを説明しよう。横浜の不良で、腕っぷしの強さを知られていた氷室蓮司と田村悠人は、若気の至りから地元のヤクザ“安西会”を解散に追い込むという事件を起こしてしまった。それがきっかけで関東を追われることになるが、安西組の若頭、秋本(哀川翔)の手引きで2人は神戸に逃げると、“龍征会”を立ち上げ、<日本統一>を目標に掲げて動きだしていく。
主演を務めるのは本宮泰風と山口祥行の2人。本宮が演じるのは、頭が切れてクールな性格の氷室。人情に厚く、身内やカタギの人間を守る正義感とカリスマ性を持ち合わせるリーダータイプの男だ。そして山口が演じるのは喧嘩っ早く熱い性格の武闘派、田村。勘の鋭さ、損得勘定などをしないところも田村の魅力となっている。正反対の2人は互いにない部分を補い合い、支え合いながら絆を深めていく。
ちなみに劇中でバディを組む本宮と山口の2人は、実は高校時代からの親友であり、プライベートでも親交が深く、家族ぐるみの付き合いで正月を一緒に過ごすほど親密な関係だ。
物語の起点を聞くと、ほかの任侠ものとの違いがよくわからないと思うかもしれないが、氷室と田村が日本統一を目指す目的は“暴力で全国を制圧する”のではなく”日本から抗争をなくす”ため。これ知ると、自ずと2人を応援したいという気持ちになってくるのだ。