『ビースト覚醒』に至る「トランスフォーマー」との歩みをタカラトミーに直撃!「映画を研究することでおもちゃのレベルがどんどん上がっていきました」
「ダイナミックな変形とビーストのキャラクターが合うんじゃないか」(巽)
――巽さんが担当した「パパパっとチェンジ」のポイントや開発についてお聞かせください。
巽「AからBにどう変形させるかというアイデア自体は、積み重ねてきたものがたくさんあって、3ステップで変形する『パパパっ』の機構もその一つです。みんなでブレストするなかでダイナミックな変形とビーストのキャラクターが合うんじゃないかとまとまりました。安定して生産可能で、アクションがおもしろく安全性も必要で、なによりかっこよくないといけない。気をつけるポイントが多いので、すべてを満たすアイテムにするのに苦労しました。こういうシンプルな変形ステップ系が初めてだったのと、同時進行でMPM(マスターピースムービー)という複雑な機構のアイテムも担当していたので頭の切り替えも大変でしたね」
「自分だけの装備を組み合わせながら作ることができるんです」(山田)
――『ビースト覚醒』に登場するトランスフォーマーと武器に変身する動物「覚醒ウェポン」をセットにした「覚醒チェンジセット」は山田さんのご担当ですね。
山田「自分の手で変形させるお買い求めしやすいオーソドックスなセット商品で、ロボットと小さな動物をセットにしました。小さな動物はオオカミがチェーンソー、トラがクロスボウに変形し、それらをトランスフォーマーが装備するというコンセプトになっています」
宮内「動物から武器に変形するトランスフォーマーはいままでありませんでした」
山田「これまで基本はロボでしたから、動物から武器になるのは新しいと思います。ほかの『トランスフォーマー』シリーズと連動して遊べるように、武器になったビーストを取り付ける穴はシリーズ共通規格の5ミリ幅にしています。なので、どのシリーズにも付けられますし、子どもたちは自分だけの装備を組み合わせながら作ることができるんです」
宮内「共同で開発する流れのほかに、日本の市場向けに国内主導で企画をすることもあって、その一つが『ビースト覚醒 覚醒オプティマスプライマル』です。こちらも『覚醒ウェポン』を付けられる仕様になっているので、シリーズとしては別ですがいろいろと集めたくなるよう工夫しています」
「映画の最終デザインを見て『こうなったのか!』と驚くことがあります」(巽)
――最新映画に登場するキャラクターの場合、開発のスタート時点でどれぐらいの情報が提供されるのでしょうか?
山田「キャラによりますね。映画の場合は映画キャラクターを作成するスタジオからコンセプトアートが共有されるのですが、キャラクターによって、車とロボの2枚だけの場合や、初期の時点で様々な角度から描いている場合もあったりと様々です」
巽「映画製作の序盤に開発がスタートしたアイテムだと、その時点ではキャラクターのデザインが固まっていないので、僕らも映画の最終デザインを見て『こうなったのか!』と驚くことがあります。開発途中で最終のデザインが届くこともありますが、それをおもちゃに反映させるかどうかはタイミング次第です。ですから、ライブ感があるというか(笑)」