【ネタバレあり】2組の“マスターとパダワン”が物語のカギを握る?「スター・ウォーズ:アソーカ」初回&2話をレビュー
スローン大提督とエズラを捜しに、チームで銀河へ飛び立つ!
初回から衝撃のエンディングなので、今回だけは第2話も同時配信なのかもしれない。
が、もちろん、サビーヌが死ぬはずもなくアソーカに助けられて病院に運び込まれる。彼女は壊れたシンの手下ドロイドの解析をし、それがコレリア製であることを突き止める。モーガンの工場もコレリアにあるのだ。
コレリアといえばハン・ソロの出身惑星であり、彼の愛機ミレニアム・ファルコン号が造船されたところ。本作でもスターシップの造船が盛んなことが伝わってくる。
その惑星に乗り込むのはアソーカとヘラ。ヘラは愛機のファントム2に相棒のアストロメク、C1-10Pことチョッパーを搭載している。チョッパーはかつてヘラに助けられたドロイド。型番は古いにもかかわらず大変優秀で、いざという時にはメチャクチャ役に立つ。性格は負けん気が強く天邪鬼。頭部左右に格納できる2本の腕が雄弁に感情を伝え、もしかしたらR2-D2より個性的と言えそうなキャラクターだ。彼の登場と相変わらずの大活躍っぷりに頬が緩んでしまうファンは多いのでは?
そのコレリアでアソーカとヘラが知るのは、この惑星を牛耳っているのはいまでも帝国の残党であるという事実。アソーカは彼らの暗殺ドロイドとバトルし、ヘラはそのドロイドを連れ去ったシンの船に発信機をつける。
一方、モーガンたちは奪い返した地図を解読し、スローンが”ペリディアの道“にいることを突き止める。そしてモーガンはベイランに「”シオンの目“がくる」と告げる。”シオンの目“ってなに?モーガンはまた「”シオンの目“が完成すれば、遠い銀河のスローン大提督を救いだせるだろう」とも言っている。もしかして、なにかのメカなのか?”ぺリディアの道“というのも聞いたことがない。ベイランはジェダイ修行の時に耳にしたおとぎ話だと言っているが…。これはかなり気になる!
ちなみにモーガンの出自はダソミアのナイトシスターの生き残りであることが初回で判明。これも忘れないように。
さて、ギクシャクしまくっていたアソーカとサビーヌ。ヘラの助言もあったせいか、めでたく復縁。アソーカは「反乱者たち」の時と同じ、自身のトレードマークでもあるショートカットに戻し、マンダロリアンのアーマーを身に着けてヘルメットを抱え、2人してスローン(とエズラ)を捜す旅に出る!アソーカがサビーヌに「パダワン」と声をかけるのは、2人のこれからの冒険に、もう一つの意味があることを示している。もうジェダイ騎士ではないアソーカがマスターとしてパダワンをどう教育するのかも大いに気になるところだ。
ということは今回、登場する「アソーカ&サビーヌ」コンビと「ベイラン&シン」コンビはどちらもジェダイでもなければシスでもないというハンパな立ち位置。こういう師弟関係を描くのはシリーズ初かもしれない。
最後にキャスティングについて書いておこう。
初回のエンドクレジットに記されている「我々の友人レイに捧げる」はベイラン・スコールを演じたレイ・スティーヴンソンが2023年5月21日、58歳で亡くなったから。スティーヴンソンは「マイティ・ソー」シリーズなどで知られるアイルランド出身の役者。「スター・ウォーズ」シリーズでは「反乱者たち」「クローン・ウォーズ」でマンダロリアンのガー・サクソンの声を当てている。彼が最後まで続投するかはわからないが、モーガンにアソーカを倒すよう言われ、数少なくなったジェダイを殺すのは惜しいと答えるのは、彼の複雑な想いが伝わってきて興味深い。そういう“師”をまた、困惑した表情で見つめる“弟子”のシンの心境も気になるところだ。
アソーカを演じているのは引き続きロザリオ・ドーソン。そして実写版となったサビーヌにはオーストラリア出身のナターシャ・リュー・ボルディッゾ。彼女はダニエル・ラドクリフ主演のアクションコメディ『ガンズ・アキンボ』(19)などに出演している。ヘラを演じるメアリー・エリザベス・ウィンステッドはクエンティン・タランティーノの『グラインドハウス:デス・プルーフinグラインドハウス』(07)でドーソンと共演している女優。彼女の夫はオビ=ワン・ケノービのユアン・マクレガーだ。
シンを演じているのは『パシフィック・リム:アップライジング』(18)に出演していたウクライナ出身の女優イバンナ・ザクノ。パッツンブロンドヘアがお似合いだ。
アソーカの相棒的な存在であり、ジェダイ・オーダーに仕えていたアーキテクト・ドロイドのヒュイヤン(と字幕はなってましたが、これまではヒューヤングでした)の声は「グッド・オーメンズ」や「ドクター・フー」などで知られるイギリスの人気者デヴィッド・テナントというところもぜひチェックして!
初回の監督は「反乱者たち」を始め本作のクリエイターでもあるデイヴ・フィローニ、第2話は「ウォッチメン」や「ボバ・フェット」を手掛けるステフ・グリーンがそれぞれ務めている。
文/渡辺麻紀