吉永小百合が、“息子”大泉洋に「お尻がムチムチしていてかわいい」『こんにちは、母さん』舞台挨拶
山田洋次監督の記念すべき90本目の映画監督最新作『こんにちは、母さん』の初日舞台挨拶が、9月1日に丸の内ピカデリー1で開催され、主演の吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌、山田監督が登壇。本作で大泉と親子役を演じた吉永は「(大泉が劇中で)ふてくされて寝ちゃって、そのお尻を叩いた時、ああ、息子だと思いました。なかなかムチムチしていてかわいい」と言って会場の笑いを誘った。
東京の下町を舞台に、変わらない親子の絆を描いた永井愛の同名戯曲を映画化した本作。『母べえ』(07)、『母と暮せば』(15)に続く「母」3部作として、山田洋次監督がメガホンをとり、吉永が主演を務めた。
吉永は、本作が123本目の映画出演作となったことについて「60年以上の間、健康だったからここまで来れたと思います」と言ったあとで、共演者やスタッフ陣にも感謝し「本当はもうやめようかと思ったのですが、『1、2、3!』は、外に飛び出すような数なので、もう少しやってみようと思っております」と宣言すると、会場から拍手が起こった。
大泉は母親役を演じた吉永について「いまやもう母としか思えない。今後、どんな映画でも、息子は私であってほしい。息子がいない設定でも、裏設定は俺が息子だと。違う役者がやるんだったら、決闘ですよ。金を払ってでも私が出る」と言うと、吉永は「よーくこれから考えてみます」と答え、会場は大爆笑に。
大泉は「なかなかここで即答しないってのは賢い方だなと。よーく考えないといけない。そのとおり」と苦笑い。続けて大泉は「吉永さんから、俺は産まれないと思ったけど、セットでお会いした瞬間、母さん!って思ったんです。まあ、俺の娘が永野芽郁というのも変ですが」とぼやく。
吉永は孫娘役の永野について「芽郁さんのお芝居はこれまでたくさん観ていますが、とてもすばらしいお芝居をされます。8歳から子役をされているとのことで、私は11歳からなので、そのぶん、負けてるなと」とおちゃめにコメント。
永野は吉永との共演を心から喜び「私も123作品、目指します!」と言うと、すかさず大泉がまた「それも親は全部、俺ね」と言うと、永野も「考えます」と笑顔で答え、会場を笑いに包んだ。
山田監督は、吉永と大泉の親子ぶりについて「おふたりのキャスティングが決まってからはずっと親子をイメージしてましたから、僕はなんの矛盾もなくそう思っていました」と太鼓判を押した。
本作は日本各地で上映会が開催され、山田監督もキャンペーンで回ったそうだが「作り手としては怖いんです。観客がどう感じてくれたのか。本当に自信がないのですが、満員の観客が笑ってくれたりするのを覗いて見て、ちょっと安心したりして。でも、いまだに、不安を抱えたままここにいるわけです。まるで試験の発表を聞く受験生、判決を聞く被告のような気持ちでいます」と謙虚に語った。
その後、本作が123本目の映画出演作になった吉永に、息子役の大泉から123輪の花束が贈られ、舞台挨拶は大盛況のなか、幕を閉じた。
取材・文/山崎伸子