「ディズニー・オン・クラシック」21年の歴史を知るコンサートマスターに聞いた!今年の見どころから貴重な舞台裏まで

インタビュー

「ディズニー・オン・クラシック」21年の歴史を知るコンサートマスターに聞いた!今年の見どころから貴重な舞台裏まで

「ディズニーの宝箱をジェットコースターで駆け抜けるような構成」

さて、「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2023」と題された今年の最大の見どころは、「まずはディズニー創立100周年を記念し、まるでディズニーの歴史を辿るような前半のプログラム。『蒸気船ウィリー』のような白黒アニメーションのアナログ的な曲に始まり、『アベンジャーズ』など最近の実写作品に至るまで、その歴史を音楽で感じ取れるようになっています。目まぐるしく曲が推移し、ディズニーの宝箱をジェットコースターで駆け抜けるような構成を、演奏側である僕たちも、もちろんお客様も絶対に楽しめるんじゃないかな」と目を輝かせる。9月16日(土)から始まる51公演の間には、ハロウィーンの時期には「“ミステリアス&ダーク・スペシャル”と題してディズニーの悪役にフィーチャーしたり、12月が近くなると“クリスマス・スペシャル”としてディズニーのクリスマス音楽を演奏したりと、季節に合わせたプログラムになるので、何度か足を運んでくださるお客様も新鮮に感じてもらえるハズです」。

『蒸気船ウィリー』や『白雪姫』、『アナと雪の女王』、『アベンジャーズ』までラインナップされているディズニー創立100周年の特別プログラム
『蒸気船ウィリー』や『白雪姫』、『アナと雪の女王』、『アベンジャーズ』までラインナップされているディズニー創立100周年の特別プログラムPresentation licensed by Disney Concerts. [c]Disney

「倒れる野獣が手を伸ばした時、ベルが初めて『アイ・ラブ・ユー』と言うんです」

そして後半は、“With You ~愛を奏でる”をテーマに、 『美女と野獣』(91)が、本イベントでは8年ぶりにフィーチャーされる。本作と言えば、せつなさで胸が圧し潰されるようなラブストーリーとしても、熱狂的なファンが多い。「クライマックスまでは野獣が呪いを掛けられたままなので、シリアスな部分が要所要所にある。そういう影の部分も含めて、アラン・メンケンという作曲家が作った楽曲が、もう本当にすばらしくて…。とにかく心情表現が見事なんですよ。映画の中で、セリフが少しトーンダウンするシーンに、リンクするように音楽が入ってくる。その歌詞を感じながら、僕らが想いを乗せて演奏します」と、すっかり気持ちは『美女と野獣』の世界へ。

美しい娘ベルと心を閉ざしてしまった野獣との間に芽生えた“真実の愛”の物語
美しい娘ベルと心を閉ざしてしまった野獣との間に芽生えた“真実の愛”の物語Presentation licensed by Disney Concerts. [c]Disney

何度も演奏してきたからこそ知り尽くしたその想いを噛みしめるかのように、「終盤、倒れている野獣にベルが駆け寄って、抱き起こすシーンで流れる音楽が本当に美しいんです。僕も毎回、弾きながら涙してしまうんです」と、思い返しながら目を潤ませる。「倒れる野獣が手を伸ばした時、ベルが初めて『アイ・ラブ・ユー』と言うんです。そこにピタッと合わさるように音楽が流れ、ストーリーと音楽がリンクしていく。毎回、会場からもすすり泣きが聞こえてきて、それを聞くと僕らもまた、もらい泣きをしてしまい本当にヤバいです!」。

【写真を見る】「ディズニー・オン・クラシック」は演奏者の表情にも注目?ベルと野獣の感動的なシーンに「もらい泣きをしてしまい本当にヤバい」
【写真を見る】「ディズニー・オン・クラシック」は演奏者の表情にも注目?ベルと野獣の感動的なシーンに「もらい泣きをしてしまい本当にヤバい」Presentation licensed by Disney Concerts. [c]Disney[※写真は過去の公演です。]

このように会場が感動で包まれる、その瞬間は「オケと歌手と会場が、音楽で一体になっているのを肌で感じます」と、実感を込めて説明する青木。「最後はハッピーエンディングとなって盛り上がり、お客様も笑顔になっています。演奏がすべて終わったあと、客席に向かって全員起立した際に、初めてお客様と向かい合うのですが、いつも泣き笑いの表情を目の当たりにします。そこで、『ああ、本当によかったな』と…」。過去の公演を思い返し、「泣けるほど感動できるステージができるなんて、なんて幸せなんだろうと毎回、50公演あれば50回思いますね」と感無量の想いを述懐する。


ヴォーカリストたちに囲まれながらヴァイオリンを弾く青木
ヴォーカリストたちに囲まれながらヴァイオリンを弾く青木Presentation licensed by Disney Concerts. [c]Disney[※写真は過去の公演です。]
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