「ディズニー・オン・クラシック」21年の歴史を知るコンサートマスターに聞いた!今年の見どころから貴重な舞台裏まで

インタビュー

「ディズニー・オン・クラシック」21年の歴史を知るコンサートマスターに聞いた!今年の見どころから貴重な舞台裏まで

「6歳くらいの男の子がステージを見上げながら『ステキな音楽をありがとう』なんて言ってくれた」

作品と音楽に対する感動を同じ空間で共有した者同士として、観客と演奏者が交流する文化が育まれているのも「ディズニー・オン・クラシック」ならでは。「コロナ禍で途絶えはしましたが、以前はお客様が自然発生的にステージへ寄って来てくださり、写真を撮ったり、お話をする機会が結構あったんです。6歳くらいの男の子が、ステージを見上げながらつぶらな瞳で『ステキな音楽をありがとう』なんて言ってくれた時は、思わず楽屋に戻って泣いてしまいました。プロデューサーが来て、『どうしたの!?』なんて驚かれたり」と照れ笑い。

さらに、恒例のアンコールでステージ前に出てソロを弾いた時、「一列目のカップルの男性が、曲の途中で女性の手に自身の手をそっと重ねるのが目に入った時は、ステキな光景だなあ、と思いながら演奏していました。また、この会場でプロポーズされました、というカップルもいらっしゃったり、交際している頃から何度も来ていて、その後夫婦になられたお客様も何人か知っています」。客席でもいくつものドラマが生まれているようで、そうした軌跡を振り返りながら、「純粋な心と笑顔を取り戻したり、思いださせてくれるコンサートなのかな、という気がします」と、改めてこのコンサートの魅力と力に感じ入った様子をみせる。

20年を超えるコンサートの歴史の中で様々な試行錯誤が繰り返されてきた
20年を超えるコンサートの歴史の中で様々な試行錯誤が繰り返されてきたPresentation licensed by Disney Concerts. [c]Disney[※写真は過去の公演です。]

「公演に行ったことがない方がプレイリストを聴くことで、来年は行ってみたいと思ってくれたらうれしい」

今回演奏される楽曲のオリジナルは、音楽配信サービスで公開されている「ディズニー・オン・クラシック」プレイリストで聴く事ができる。そうした試みや流れについて青木は、「本当にアリだと思っています。公演に行ったことがない方がプレイリストを聴くことで、来年は行ってみたいと思ってくれたらうれしいです。逆に公演に来てくださった方が、会場とは異なる視点で音楽を味わうことで、新たな魅力を発見できるのも、いまの時代の楽しみ方かな」と前向きだ。「私自身、自分たちの演奏を、動画配信で観てあとから楽しんでいますから」。

ディズニーの歴史を彩ってきた19作品にフィーチャーしたメドレーをはじめ、例年にも増して見どころ満載の「ディズニー・オン・クラシック」。青木らオーケストラによるリアルな感情のこもった演奏はもちろん、スクリーンの映像や華やかな照明演出で表現された、『美女と野獣』の“真実の愛の物語”を軸に、長きにわたる感動の軌跡に酔いしれてほしい。


取材・文/折田千鶴子

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