『キル・ビル』公開20周年記念!漫画家・田島昭宇がいまだから明かせるアニメパート制作中の驚きとタランティーノの仕事ぶり
「タランティーノに会って『これぞ、映画監督の鑑だな』と感心したのを覚えています」
そして打ち合わせのために極秘来日したタランティーノとついに面会。それまで経験のないほどの緊張で打ち合わせ場所のホテルへと向かったが、想像していた人物像とまったく違っていたという。「お会いする前は、大柄な方ですし、ちょっと怖い感じのする人かな?なんて思っていたんですが、いざ話してみたら気さくな方でした。本当に映画が大好きなんだというのが伝わってきましたし、なんだかオタクっぽい感じの人だなと思いましたね」と笑う。
「でも映画の具体的な話になると、熱く語りだして。彼のなかで明確なビジュアルがあるようで、『ここはカメラがぐるっと回って』とか、『ここはこういうふうに』とか、身振り手振りでこと細かに説明してくるんです。なかでもオーレンがビルの屋上から自動車に乗る親分の頭を撃ち抜くシーンには力が入っていたようで、画コンテに『オーレンは赤のキャットスーツで』と指示が書いてありましたし、『撃った弾をカメラが追うようにして脳の間を貫通するんだ!』と説明してくれました。自分の頭にあるイメージを忠実に映像にしたいという意気込みを感じました。『これぞ、映画監督の鑑だな』と感心したのを覚えています」。
「タランティーノがザ・ブライドのイラストを気に入ったのでアメリカに持ち帰っていいか?と」
その後、タランティーノの手に田島のイラストが渡るのだが、ここでまたも田島が予想もしなかった事態が起きる。「プロデューサーを通じて、彼がザ・ブライドのイラストを気に入ったので、アメリカに持ち帰っていいか?と聞いてきたんです。タランティーノが僕のイラストをスタッフやキャストに見せて、ザ・ブライドのイメージを伝えたいとのことでした。まさか自分のイラストがそんなことに使われるなんて思っていなかったので驚いたのですが、『ちゃんと返してもらえるならいいですよ』と返事しました」。ちなみにイラストはあとでちゃんと帰ってきたそうだ。
漫画家。代表作は「魍魎戦記MADARA」シリーズや「多重人格探偵サイコ」。2021年に単行本未収録の短編漫画を集めた作品集「Baby Baby」を刊行。ゲーム「Fate/Grand Order」「ガレリアンズ」やアニメ「怪童丸」「お伽草子」キャラクターデザインも手掛け、小説の装画作品も多数。最新画集「夢限PAYAPAYA黒白〈KOKU-BYAKU〉」のほか、「SHO-U」「ゴリラキック」「光速ガールズ」「BABY★STARDUST」などがある。「【愛蔵版】多重人格探偵サイコ COLLECTION BOX 2」が10月4日発売。10月27日から11月7日に東京都武蔵野市のリベストギャラリー創で開催される手塚治虫文化祭~キチムシ・スピンオフ企画【JACK'N' KICHIMUSHI】に手塚作品のキャラクターをモチーフにしたコラボレーションアイテムを創作、展示、販売の予定。
スターチャンネル『キル・ビル』公開20周年記念!クエンティン・タランティーノ監督特集
■配信情報(全5作品)
『キル・ビル Vol.1』
『キル・ビル Vol.2』
『ジャッキー・ブラウン』
『ジャンゴ 繋がれざる者』
『ヘイトフル・エイト[R15+指定版]』
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」で観る
■放送情報(全6作品)
『キル・ビル Vol.1』
『キル・ビル Vol.2』
『ジャッキー・ブラウン』
『ジャンゴ 繋がれざる者』
『ヘイトフル・エイト[R15+指定版]』
『パルプ・フィクション』
[STAR2 字幕版]10月7日(土)~10月12日(木) 21:00~ 6日連続放送
[STAR2 字幕版]10月21日(土)~10月22日(日) 12:30~ 2日連続放送
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