カップルの「その先」を夢想!LGBTフレンドリーな社会についても学べる台湾BLドラマの世界 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
カップルの「その先」を夢想!LGBTフレンドリーな社会についても学べる台湾BLドラマの世界

コラム

カップルの「その先」を夢想!LGBTフレンドリーな社会についても学べる台湾BLドラマの世界

「We Best Love」で描かれた台湾BLドラマきっての名場面

続いて紹介したいのは、台湾BLドラマのなかでも屈指の映像美を誇る「We Best Love 永遠の1位」(21)と、その続編にあたる「We Best Love 2位の反撃」(21)。テレビ朝日系列のドラマ「何曜日に生まれたの」(23)に出演するなど、日本でも活動の幅を広げている俳優の楊宇騰YUことYUが初主演を飾ったことでも話題を呼んだ。ストーリーは幼いころから常に1位をとる天才肌のガオ・シードー(リン・ズーホン)と、万年2位に甘んじてしまうジョウ・シューイー(YU)の2人を軸にして進んでゆく。犬猿の仲として始まった2人は、しかしお互いのことを知りながら次第に惹かれ合う。1話目のオープニングから、青く染まったプールの中でのみずみずしいキスシーンが視聴者の心をグッとつかむ。「We Best Love 2位の反撃」で2人が学生から会社員として働き始め、大人になってからのラブシーンはさらにせつないものとなっている。かつてシードーがシューイーへしてしまったことを悔やみ、もう一度やり直させてほしいと遠くからでも、はっきりと視認できるほどの大粒の涙を溢しながら懇願し、ソファの上で2人がすれ違っていた時間を埋めるように触れ合うひと時は、台湾BLドラマ史上きっての名場面だと言えるだろう。

ヤクザとまじめな学生が異なる世界を越境してゆく「奇蹟」

ゾンイーはジョールイを自宅に招いたことで運命を変えていく(「奇蹟」)
ゾンイーはジョールイを自宅に招いたことで運命を変えていく(「奇蹟」)[c]2023 “KISEKI: DEAR TO ME” Partners All Rights Reserved.


台湾で「一番ドラマ化してほしい小説」に選ばれ、「We Best Love」など人気BLドラマの脚本家として知られるリン・ペイユーの著作を、自ら脚本、プロデュースを担当した「奇蹟」。2023年8月に日本と台湾での同時配信が始まった注目の台湾BLドラマだ。物語が始まると画面に2023年3月と表示され、バイ・ゾンイー(タロ・リン)とアイ・ディー(ルイス・ジャン)の2人が少年院から出所する。ディーはチェン・イー(ナット・チェン)に連れられて車でその場を立ち去り、ゾンイーは渡された住所へと向かおうとする。すると時間軸は一気に2018年11月へと飛び、医者を志す高校生だったゾンイーは路上に倒れていたファン・ジョールイ(カイ・シュー)に血まみれの刃物をつかまされてしまうシーンへと突入する。そうして殺人の証拠として脅迫された彼は、その日から自宅にヤクザのジョールイを匿うことに…。と、1話目から目まぐるしい場面転換によって、その後の展開が気になる作品になっている。社会から外れたヤクザとまじめな学生の2人が互いにどう異なる世界を越境してゆくのか、今後から目が離せない。

ディーは親友のイーに思いを寄せる(「奇蹟」)
ディーは親友のイーに思いを寄せる(「奇蹟」)[c]2023 “KISEKI: DEAR TO ME” Partners All Rights Reserved.

心に刺さる1本を見つけよう!「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」特集

「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」
開催日程:10月13日(金)~28日(土)
開催場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
     ところざわサクラタウン ジャパンパビリオンホールB
イベントの概要・応募はこちらからご確認ください。

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