もはや全世代に刺さる共通認識!?「ゆとりですがなにか」が描く、ゆとり世代の苦悩と“わかりみ”が深い生き方
不気味に泥臭く生きる坂間、山路、まりぶを好演する実力派俳優たち
うまいな、と思うのが、ゆとり世代という共通点はあるものの、坂間、山路、まりぶのタイプはまったく異なることだ。ちょっと不器用な部分もあるけれどいたって“普通”に見える坂間、こじらせている山路、アウトローなまりぶ。教室にいたら絶対に仲良くならないだろう、という3人がつるんでいる。言いたいことを言って、笑って、怒って。それはどんな友人同士よりも楽しそうだ。でも、友人たちの問題解決にがむしゃらに取り組んでいるという雰囲気でもない。どこかなるようになるさ、という空気感。これがゆとり世代のよさではないのか。
そしてそれぞれの俳優の個性も輝いている。“普通”だけど“ちょっと不器用”を演じたらピカイチな岡田将生(個人的には少し変人役もいい)、あんなにカッコイイのにこじらせた役がすんなりキマる松坂桃李、アウトローが似合いすぎる柳楽優弥。視聴者のイメージと一致させつつも、その期待を超えていく演技派が見せる3人の物語はそれだけで引きがある。
30代半ばを迎えたゆとり世代の3人が再び人生の岐路に!
2023年、実は世界でもゆとり世代が大活躍だ。そして芸能界でも第一線を走っている。岡田らも実際にゆとり世代だが、いまや日本の映像作品において欠かせない俳優たちだ。
というわけで、「ゆとりですがなにか」も世界へと飛び出す?映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』が10月13日より公開となった。30代半ばになった3人は再び人生の岐路に立っている。時代も変わっていくなか、彼らは順応できているのか。どの世代も戸惑いが多いいまの時代。坂間、山路、まりぶらの生き方は、もはや老若男女問わず一つの指針となるかもしれない。
文/ふくだりょうこ
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