亀梨和也&三池崇史監督のスペインでのレッドカーペットに密着!「また映画祭に呼んでもらえるような自分に」と奮起
「最後に起こった拍手もいい物語を観た、いい映画を観たという温かな拍手だった」(三池)
その後、三池監督と亀梨は会場に着席し、観客と一緒に本編を鑑賞。上映がスタートするや冒頭から血しぶきが飛び散る本作だが、劇中で血が流れるたびにシッチェスの観客は拍手喝采。意外な結末を迎えるクライマックスにも「ワオ…!」という驚き共に拍手が起こるなど、ファンタスティック映画祭らしい盛り上がりを見せたワールドプレミアとなった。上映後は鳴り止まぬ万雷の拍手と熱気に包まれ、亀梨と三池監督も感激しきり。2人のもとには、再びサインや写真を求める人が駆けつけていた。
観客の生のリアクションを肌で感じた亀梨は、「盛り上がってくださった」と安堵の表情。三池監督が「スペインの人は血に飢えているんですかね(笑)?」と茶目っ気と共に語ると、亀梨も「よっ!(待ってました)という感じがありましたよね!」と血しぶきシーンの反応に、楽しそうな笑顔を浮かべた。続けて三池監督が「しっかりと観てくれたなという印象です。シッチェスのお客さんって、ストーリーというよりも、映画をお祭りのようにワイワイと楽しむという感じなんだけれど、今回はとても真剣に観てくれていた。最後に起こった拍手もいい物語を観た、いい映画を観たという温かな拍手だった」とドラマ性もしっかりと受け取ってくれたと手応えを口にすると、亀梨も「最後、この物語が積み重ねてきたクライマックスでぶわっと沸いてくれたので。鳥肌が立ちました」と結末まで集中して見届けてくれたことに胸を熱くしていた。
海外のファンとも交流を図り、一人一人としっかりと目を合わせながら温かな笑顔を見せていた亀梨。「熱量を持って声をかけてくださった。ヨーロッパはもちろん、いろいろな場所から来てくれた方もいたのですごくうれしかったです」とファンとの大切な時間を噛み締めながら、「海外のお客様に観ていただけたことが感慨深いですし、これからこの作品がいろいろな旅をしながら、12月1日に日本でお客様に受け取ってもらえるということにワクワクしています」とコメント。今回の渡航を通して「またこういった映画祭に呼んでもらえるような自分になっていきたい、なっていこうと心に決めました。力をもらいましたし、監督がここで皆さんに歓迎されている姿を見させてもらい、まだまだ自分がやるべきことがあるなと改めて感じさせてもらいました」、さらに「シッチェスで感じたお客さんの熱量をエネルギーに、公開まではもちろん、公開後も駆け抜けていきたい」と未来への力ももらったと話す。
「ベテランの監督をリスペクトしてくれる空気がありながら、新しい人たちを見つけだそうとしている。その両面がある映画祭」と同映画祭の魅力を語った三池監督は、「自分はベテランとしてリスペクトしてもらうというより、もう一度リセットしてまだまだ新人として期待感を持ってもらえるような、刺激的な作品をつくっていきたいなと思いました」とこちらもエネルギーをたっぷりと注入した様子。「本作はみんながすばらしい。いい物語だし、いい芝居もしている。ぜひ心から味わっていただきたいです」と公開を待ち侘びる日本のファンにメッセージを送っていた。
シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭は、スペイン・バルセロナ近郊の海辺のリゾート地シッチェスで毎年10月に開催される国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭。ベルギーのブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭、ポルトガルのポルト国際映画祭と並ぶ世界三大ファンタスティック映画祭の一つで、例年300本近い作品が上映される。
取材・文/成田おり枝