昭和、平成、ミレニアムへとゴジラはどう描かれてきた?『ゴジラ-1.0』に続くシリーズそれぞれの“第1作”を振り返る

コラム

昭和、平成、ミレニアムへとゴジラはどう描かれてきた?『ゴジラ-1.0』に続くシリーズそれぞれの“第1作”を振り返る

ゴジラによる破壊を前に対応に追われる役人たちのドラマも映しだされた『シン・ゴジラ』

ミレニアムシリーズ最終作『ゴジラ FINAL WARS』(04)から12年、ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(14)とそのシリーズ化“モンスターバース構想”が注目されるなかで公開されたシリーズ第29作。第1作以来、ゴジラが存在しない世界が舞台になった。本作のゴジラは海洋投棄された放射性廃棄物の影響で怪物化した海洋生物で、大戸島に伝わる神の化身“呉爾羅”から命名された。魚のような形状から二足歩行で歩き回る約120mの大怪獣まで、わずかな時間で進化しながら首都圏を徘徊。どんな兵器にもビクともしない強靱な体を持ち、口から熱線や火炎を吐き、背ビレからも熱線を放射した。


魚のような形状から二足歩行の大怪獣へと姿を変える形態進化も話題となった『シン・ゴジラ』
魚のような形状から二足歩行の大怪獣へと姿を変える形態進化も話題となった『シン・ゴジラ』DVD2枚組 発売中 価格:4,180円 発売・販売元:東宝 [c]2016 TOHO CO.,LTD.

劇中で描かれるのは、移動しながら街を破壊していくゴジラとその対応に追われる政治家や役人たち。容赦ない破壊描写と混乱する為政者たちの姿は、東日本大震災を思わせた。そんななかで、一芸に秀でた各省庁のはぐれ者たちがチームを組んで活躍する姿には溜飲が下がる。ゴジラによってあらゆる面で壊滅的な被害を受けた日本。問題山積のなか、希望をつなぐ心地よいラストも本作の魅力である。

シン・ゴジラ』から7年の歳月を経て公開されるシリーズ第30作『ゴジラ-1.0』。“なにもない時代”と言われる戦後の復興期を舞台に、シリーズ最大級といえる荒ぶる大怪獣に人々はどう立ち向かうのか。スクリーンで目撃してほしい。

山崎貴が監督した『ゴジラ-1.0』がついに公開される!
山崎貴が監督した『ゴジラ-1.0』がついに公開される![c]2023 TOHO CO., LTD.

文/神武団四郎

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