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『白雪姫』から『ウィッシュ』へ!時代を映してきたディズニー・ヒロインの名曲をプレイバック

コラム

『白雪姫』から『ウィッシュ』へ!時代を映してきたディズニー・ヒロインの名曲をプレイバック

『リトル・マーメイド』に『ムーラン』。様々なバックグラウンドのヒロインたちが己の道を切り拓く!

人々を魅了する新たなディズニー・ヒロインが登場するのは、1989年まで待たねばならない。“ディズニー・ルネサンス”と呼ばれた1989年以降の第二黄金期には、数々の名作が生まれると同時に、意識的に様々な種や立場、違う世界に生きる多様なヒロインを続々と登場させ、新たな時代を切り開いた。

『リトル・マーメイド』(89)では、海の王女アリエルが陸の世界――まだ見たことのない外の世界へ憧れる気持ちを込め、切々と「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌い上げる。『美女と野獣』(91)、『アラジン』(92)などを含め、ディズニー音楽の一時代を築いたアラン・メンケンによる美しいメロディには、第一次黄金期の楽しく楽観的な曲調とは一線を画し、哀愁やせつなさが色濃く漂い、心を揺さぶられずにいられない。

『ポカホンタス』(95)のヒロイン、アメリカ先住民族ポカホンタスが歌う「カラー・オブ・ザ・ウィンド」は、さらにシリアスな曲調に乗せ、自然の美しさや豊かさ、その姿や大切さを謳い、それに気付かない相手に、もっとよく見てと訴えかける内容になっている。さらに初のアジア人がヒロインとなった『ムーラン』(98)における「リフレクション」は、ムーランが自分自身や自分の生き方を深く見つめる内容で、やはり切ないメロディラインがギュッと胸を締め付ける。

『塔の上のラプンツェル』や『アナ雪』まで。さらなるパワーにあふれた名曲たち

自分の人生を誰かに委ねることなく、自分の望みや価値観に従って正直に生きようともがく姿を歌い上げた“ルネサンス期”から、さらに一歩踏みだした2000年以降は、すでに腹を決めたあとの、どこか吹っ切れたようなパワーが楽曲にみなぎり、再び明るくポジティブな曲調へと転調する。しかしのんびり楽観的というよりは、ギュッと決意の詰まったパワフルな楽曲が多い。

塔の上のラプンツェル』(10)では、初のCGアニメーション・プリンセスとなったラプンツェルが、「自由への扉」を歌うどこかコミカルで楽しいシーンが印象的だ。塔から出られない生活に飽きたと歌いながら、自棄になることなく、そんな生活さえも楽しんでいる風でもあり、メロディには外の世界への憧れや期待が膨らむ明るい兆しが差し、これからの展開を予感させてワクワクさせる。さすが、ディズニー音楽を知り尽くしたアラン・メンケンと思わざるを得ない一曲。

そして決定打は、エポックメイキング的な作品としか言いようのない『アナと雪の女王』(13)の登場だ。王子様ではなく姉妹の絆や助け合いを物語のベースに置き、エルサが歌う「レット・イット・ゴー」は、各国それぞれの歌手が歌い世界的な大ヒット曲に。内容はいまさら言うまでもないが、恐れずに自分を解放し、ありのままの自分で生きていこうと、男女問わず悩める誰かの背中を押してくれる応援歌だ。日本でも社会現象を巻き起こし、公開翌年の第86回アカデミー賞歌曲賞を受賞している。

雪の世界から一転、南太平洋の島を舞台にした『モアナと伝説の海』(16)の「How Far I'll Go」は、シンプルなギター伴奏で歌い上げられる素朴な歌声が画期的でもあり、まさに知らない世界へ飛びだすのだという決意表明のような楽曲だ。ディズニー・ヒロインたちはもう誰かを待つことなく、自分自身の力で人生を切り拓くことを恐れない。

そしてついに、ディズニー・アニメーション最新作『ウィッシュ』へとたどり着く。長きにわたり、時代に寄り添い、人々を勇気づけてきたディズニー・ヒロインの名曲たち。願い星に選ばれたニューヒロイン、アーシャが起こす奇跡を目撃するまで、あと少し!時代を少し先から先導してくれる美しく力強い歌声に心揺らす日は、もう目の前だ。

【写真を見る】あなたはどのディズニー・ヒロインがお好き?白雪姫やアリエル、ニューヒロインのアーシャまで
【写真を見る】あなたはどのディズニー・ヒロインがお好き?白雪姫やアリエル、ニューヒロインのアーシャまで[c] 2023 Disney. All Rights Reserved.


文/折田千鶴子

「ウィッシュ~この願い~」Performed by アリアナ・デボーズ 配信中
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『ウィッシュ』日本版オリジナル・サウンドトラック
・12月15日(金) CD発売/デジタル配信開始
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