『マーベルズ』鑑賞前の予習&復習はこれでバッチリ!3人の“マーベル”の能力をまとめてみた
ディズニープラスでは、オリジナルシリーズ「ロキ」のシーズン2が絶賛配信中のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)だが、11月10日(金)からは『マーベルズ』が封切りになる。3人の“マーベル”たちが、デコボコながらも力を合わせ、突如現れた圧倒的な敵に立ち向かっていく物語だ。MCUといえば、近年どんどん話が広がり、なにを観ればよいのか、いまはどこまで話が進んでいるのか…?と、鑑賞や視聴のハードルが上がり気味になっている。
そこで本稿では、最新作『マーベルズ』を観るために“最低限”必要な情報を紹介していく。ぜひとも彼女たちのことを少しでも理解して、より深く『マーベルズ』を楽しんでほしい。
そもそも『マーベルズ』はなにの続編なのか?
まず今回公開される『マーベルズ』は、『キャプテン・マーベル』(19)の続き…ではない。たしかに続編ではあるが、『マーベルズ』の予習として『キャプテン・マーベル』だけを観ればよい、というわけにはいかないのだ。ではなにの続きに当たるかというと、ディズニープラスのオリジナルシリーズで、本作にも登場する若きヒーローを主人公に据えた「ミズ・マーベル」となる。
ドラマ「ミズ・マーベル」最終話のラストシーンでは、なにかの拍子に”ミズ・マーベル”ことカマラ・カーン(イマン・ヴェラーニ)が消え、代わりに、空になったカマラの部屋に“キャプテン・マーベル”ことキャロル・ダンヴァース(ブリー・ラーソン)が現れる。『マーベルズ』の予告編では、まさにその入れ替わりのシーンが映しだされ、「ミズ・マーベル」と『マーベルズ』の物語が直結していることがわかる。
3人のマーベルの出自と、能力発現のきっかけ
ここからは、観る前に予習しておいてほしいメイン3人のこれまでについて詳しく紹介していく。
孤高の戦士、キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル
MCUにおいて“初代”キャプテン・マーベルと言うべきキャロル。初登場は、彼女をタイトルロールとした『キャプテン・マーベル』で、アベンジャーズ参入こそ後半だが、時系列的にはかなり早くから活動していたキャラクターとなる。
キャロルはもともと普通の地球人であり、アメリカ空軍のテストパイロットとして日々訓練に励んでいた。向上心あふれるたくましい性格で、本来女性兵士は戦闘には参加できないなか、“ペガサス計画”と呼ばれる極秘実験のパイロットに抜擢されている。しかし、そのペガサス計画の飛行実験中、銀河の軍事国家“クリー”の特殊部隊によって、彼女が乗っていたテスト機が撃墜される。それを隠蔽しようとしたクリー人がテスト機を破壊した際に生じたテッセラクト、すなわち青白く輝く四次元キューブ“スペース・ストーン”の力を浴びたことでスーパーパワーに目覚めている。
かつては、明るく人並みに協調性のある人間だったが、宇宙で孤独に活動し続けてきたこともあるのか、孤高の戦士な雰囲気に。それゆえ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)では協調性のなさを指摘されてしまうシーンが見受けられた。とはいえ、根っから他人を拒絶するような性格ではなく、『マーベルズ』で共闘することになるモニカ(テヨナ・パリス)が幼少のころにはしばしば遊んだり、サノスとの決戦でもアベンジャーズのメンバーと連携プレーを披露したりと、“本当はいいヤツ”なお姉さん。『マーベルズ』では、ベテランヒーローとしてモニカやカマラとどう接するのかが気になるところだ。
母の遺志を胸に地球を守る、モニカ・ランボー
キャロルの親友であるマリア・ランボー(ラシャーナ・リンチ)の娘として、11歳の時に『キャプテン・マーベル』で初登場したモニカ。当時はお転婆な年頃でキャロルに懐いていたモニカだが、ドラマ「ワンダヴィジョン」での再登場時は、すっかり正義感に満ちあふれた大人に成長。母とキャロルへの憧れから宇宙飛行士を志すと、マリアらが宇宙からの脅威に対処するために作った“S.W.O.R.D.”のエージェントに就き、「ワンダヴィジョン」の最後にはスクラル人に連れられ、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が指揮する宇宙ステーション“S.A.B.E.R.”へと向かった。組織で働く人間ということもあり、常識や協調性はあるが、強い正義感に突き動かされた結果、周囲の制止をも振り切って猪突猛進になってしまう一面も。ある意味ヒーローらしいまっすぐさだが、ヒヤヒヤさせられることも少なくない。
彼女の能力発現のきっかけは、「ワンダヴィジョン」で、ワンダ(エリザベス・オルセン)が作った架空の空間“ヘックス”への通過を繰り返したことによる血液の変異。その結果、アベンジャーズ屈指の力を持つワンダと、一時的とはいえ渡り合うほどの驚異的なパワーを見せた。また、その力を用いて空を飛ぶこともでき、これはキャロルやワンダのパワーの使い方とも似ている。
幼少期はキャロルを「キャロルおばさん」と呼び慕っていた彼女だが、「ワンダヴィジョン」では彼女の話題に少し怪訝な表情を浮かべるシーンもあり、キャロルと離れていた期間に、彼女のなかでなにか思うことがあったようだ。デシメーション…つまり“指パッチン”の間に亡くなった母マリアのことなのか、それとも別のことなのか…。『マーベルズ』でそれが明かされることにも期待したい。
さらなる伸びしろに期待!カマラ・カーン/ミズ・マーベル
スパイダーマンことピーター・パーカー(トム・ホランド)や、「ホークアイ」のケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)らと同様、アベンジャーズに強い憧れを持ち、話を聞かず突っ走ってしまう若さが魅力でもある、高校生ヒーローのカマラ・カーン。ムスリムの家庭で育ち、少し過保護なくらい自分を大事にしてくれる親に反抗期気味なところがかわいらしい。彼女といえば、筋金入りの“アベンジャーズオタク”で、その熱意はアベンジャーズの二次創作を行うほど。とりわけ大好きなヒーローは、ほかでもなくキャプテン・マーベル。「ミズ・マーベル」のラストシーンでは、自分だらけ(どころではないが…)の部屋を見渡したキャロルが、思わずなんとも言えない顔をしていた。
光の結晶を自在に操る彼女の能力は、祖母が送ってきたバングルを嵌めたことがきっかけ。しかし、バングルのパワーを借りているわけではなく、祖母の母、つまりカマラの曾祖母が“ジン”と呼ばれる魔神の種族の一人であり、その遺伝子を受け継いだカマラの内に秘められた“ヌール”(アラビア語圏で“光”の意味)が、バングルをきっかけに発動している。そのため、キャロルやモニカと異なり、生まれながらにして超人の素質を持っていた、ということになる。
ヒーローに並々ならない憧れを抱いていたカマラは、もちろんスーパーパワーの覚醒に最初は大喜びする。だが命がねらわれるようになると、さすがの彼女もたちまち恐ろしくなり、また自分の出自を知ったことでますます苦悩を抱えていく。それでも家族や友人に支えられ、自分の使命に気づき悪に立ち向かう姿には、やはりピーター・パーカーを彷彿とさせられる。
『マーベルズ』の予告では、早速唯一の“子ども”ヒーローらしい無邪気な姿が切り取られている。言動こそまだまだ幼さが残るが、正義感はキャロルにもモニカにも勝るとも劣らない。はたしてカマラは、歳上ヒーロー2人とやっていけるのか、大人2人も、天真爛漫な彼女と上手く交流できるのか…!?