実は“MCU初”が盛りだくさん?3人のヒーローがチームを組んだ『マーベルズ』をネタバレなしでレビュー
3人のヒーローが入れ替わりながら戦うアクションシークエンスは見もの!
さて、今回の新作『マーベルズ』について語っていこう。冒頭で、さっそく今回のヴィラン、ダー・ベン(ゾウイ・アシュトン)が登場。部下と共に異星の地表を採掘する彼女は、強大な力を秘めたバングルを発見する。しかし、彼女の目的遂行のためには、対になっているもう一つのバングルが必要だった。勘の良い方は、それを誰が持っているのか、すでにおわかりだろう。
このあとに続くのがキャロルとモニカ、カマラに生じる異変。3人のうち誰かが特殊能力を発動させる度に、3人の居場所が入れ替わる。異星にいたはずのキャロルはいつの間にかカマラのオタク部屋におり、自室で妄想に耽っていたカマラは宇宙服を着て宇宙空間を漂っている…という具合。自分の身になにが起こっているのかわからなかった3人は、それぞれが置かれた場所で、誰かわからない敵と戦うハメになる。戦っている最中でさえ能力を発動しては入れ替わって、違う敵と戦い、また戻ってきて…を繰り返す。このシークエンスは最初のアクションの見せ場にして、ユーモラスな場面でもある。
そんな彼女たちが対面することで、なにが起きているのかが次第に明らかになってくる。憧れのキャプテン・マーベルと出会えたカマラはすっかり有頂天になって一方的にオタク愛をぶつけてくる。逆にキャロルと久しぶりに再会したモニカは、彼女に放置されてきたと感じており、その悲しみをこじらせて素直に喜べずにいる。3人が互いを理解し合うには、もう少し時間が必要だった。ダー・ベンとの遭遇により発覚する宇宙の危機と、そこから始まるバトル。腹を割って話さなければ、わからなかった、それぞれの境遇。そんな“時間”が緊密な共闘へと発展し、“マーベルズ”結成のドラマをヒートアップさせていく。
『キャプテン・マーベル』に比べてアツいアクションドラマであると同時に、笑いの点も強調されている。とりわけ、カマラの女子高生らしいハシャギっぷりや、厳格な家族をバトルに巻き込んでは謝る姿は思わず吹きだしてしまう。また、『キャプテン・マーベル』に登場した、愛らしい猫の姿をしたエイリアン、グースも再登場。アベンジャーズの司令官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)はコワモテだが、グースと再会するとデレデレになってしまうのだからおもしろい。そのグースも、今回は共闘する仲間が大挙して現われる。これに関しては見てのお楽しみ、というにとどめておきたい。