「ゲゲゲの鬼太郎」新作映画だけじゃない!“ゲゲゲ忌”に向けて「水木しげる生誕100周年プロジェクト」がさらに盛り上がる
妖怪漫画の第一人者として数々の人気作を生みだしてきた水木しげるの生誕100年を記念して製作された、「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメーション映画最新作『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がいよいよ11月17日(金)より公開。それにあわせ、改めて水木の歩みとその作品群の魅力に触れながら、現在展開中の「水木しげる生誕100周年プロジェクト」の関連作品やイベントについて紹介していこう。
数多の傑作を生みだした生涯現役の漫画家、水木しげる
1922年3月8日に大阪府で生まれ、鳥取県境港市で育った水木。少年時代に家にお手伝いに来ていた“のんのんばあ”が語り聞かせてくれた様々な妖怪話が水木にとって創作の原点となったことは有名で、当時の思い出が綴られた自伝的エッセイ「のんのんばあとオレ」はドラマ化もされるなど人気を博した。
第二次世界大戦下に戦地で左腕を失ったあと、復員後に神戸でアパート経営と紙芝居作家を兼業しながらキャリアをスタート。1957年に上京し、翌年漫画家デビューを果たすと、1960年の「墓場鬼太郎」を皮切り、「河童の三平」や「悪魔くん」など後の代表作が次々と発表されていく。そして1966年には水木プロダクションが設立され、1968年にテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」が放送開始。
2015年11月30日に93年の生涯に幕を下ろすまで精力的に活動を続け、漫画や画集、絵本、エッセイなど数えきれないほど多くの作品をこの世に遺した水木。2010年には妻の武良布枝の著書「ゲゲゲの女房」がNHK連続テレビ小説でドラマ化され、映画化や舞台化、さらには新語・流行語大賞を受賞するなど社会現象を巻き起こした。
「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメーション映画や実写映画はもちろんのこと、「河童の三平」や「悪魔くん」もアニメーション映画化されているほか、高畑勲監督のスタジオジブリ作品『平成狸合戦ぽんぽこ』(93)に原案協力として参加。三池崇史監督の『妖怪大戦争』(05)では荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきと共に「プロデュースチーム『怪』」を結成し、製作に携わりながら妖怪大翁役として出演も果たすなど、映画とのつながりも深い。