「ゲゲゲの鬼太郎」新作映画だけじゃない!“ゲゲゲ忌”に向けて「水木しげる生誕100周年プロジェクト」がさらに盛り上がる
「ゲゲゲの鬼太郎」も「悪魔くん」も進化を遂げる!
テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」は、大映製作による黒田義之監督の『妖怪大戦争』(68)と共に、昭和の子どもたちの間で巻き起こった“妖怪ブーム”を牽引する作品となった。江戸時代から様々な伝承があった妖怪が、それを機に身近なものとなり、「妖怪ウォッチ」や「鬼滅の刃」など現代にも通じていることはまちがいないだろう。
そうした新たなカルチャーを生みだしただけでなく、水木作品自体が常にブラッシュアップを重ねながら語り継がれていることも、水木作品がいまなお世代を超えて愛されていることの大きな理由といえよう。貸本漫画「墓場鬼太郎」からはじまった「ゲゲゲの鬼太郎」はその代表的な例で、アニメシリーズは現在まで6シリーズ、声優も作画のタッチも変えながら作り続けられ、海外でも人気を博している。
そんな「ゲゲゲの鬼太郎」の、劇場用アニメーション作品としては15年ぶりの新作となる『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、2018年から2020年にかけて放送された第6シリーズのエピソードゼロにあたる作品。昭和31年、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配された哭倉村を舞台に、帝国血液銀行に勤める水木と、妻を探しにやってきた鬼太郎の父との出会いが描かれていく。
鬼太郎の父役を「鬼滅の刃」には鬼舞辻無惨役で知られる関俊彦、水木役を「テニスの王子様」の木内秀信がそれぞれ担当するほか、テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6シリーズで鬼太郎を演じた沢城みゆき、目玉おやじ役の野沢雅子、さらに種崎敦美や小林由美子、古川登志夫ら豪華声優陣が参加。また、数々のアニメ音楽を手掛けてきた川井憲次が初めて「ゲゲゲの鬼太郎」作品の音楽を担当したことも話題に。
また「ゲゲゲの鬼太郎」と同じく貸本漫画としてスタートして以来、主人公や設定を変えて何度も映像化されてきた「悪魔くん」も、Netflixで完全新作アニメーションとして装いも新たに生まれ変わった。
奇妙な依頼が舞い込む“千年王国研究所”の主で、1万年に1人の天才少年といわれる“悪魔くん”こと埋れ木一郎(cv:梶裕貴)が、相棒のメフィスト3世(cv:古川登志夫)と共に不可思議な事件に挑みながら、自らの出自の謎を追っていくストーリーが展開。1989年から放送されたテレビアニメ「悪魔くん」で埋れ木真吾の声を担当した三田ゆう子も声優として参加しているので、当時を知るファンは必見だ。
恒例の「ゲゲゲ忌」が今年も開催!
そして水木の命日である11月30日にあわせ、水木が50年以上暮らしたゆかりの地である東京都調布市で毎年開催されるイベント「ゲゲゲ忌」が今年も11月17日(金)から11月30日(木)にかけて調布市内の各所で開催。Netflixアニメ「悪魔くん」の第1話、第2話の無料試写会や、放送15周年を迎えたテレビアニメ「墓場鬼太郎」のピックアップ上映イベントでは、スタッフらによるトークショーが実施。
また『劇場版ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』(08)の上映イベント、新作映画の公開を記念しテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」ではテレビアニメの第6シリーズの3エピソードを上映する企画では、それぞれの声優たちが登壇するトークショーも行われる予定。上映以外にも様々な企画が盛りだくさんの「ゲゲゲ忌 2023」の詳細については、調布市の公式サイトでチェックしてほしい。
さらに2007年から2009年にかけて放送されたテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第5シリーズのコンプリートブルーレイの上巻が11月8日に発売され、12月6日(水)には下巻もリリース。ほかにも生誕100周年を記念した限定グッズも次々と発売されており、2021年3月8日からスタートした「生誕100周年事業」期間もいよいよ佳境に突入。この機会に水木作品の魅力にどっぷりと浸かってみてはいかがだろうか!
文/久保田 和馬