亀梨和也、『怪物の木こり』で映画への意欲を実感!次なる三池監督作品に「ワンシーンでもOK。一緒にカンヌに行きたい」と希望
2019年の第17回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作を実写映画化した『怪物の木こり』の「クリスマス直前!公開後舞台挨拶」が12月13日に丸の内ピカデリーで開催され、亀梨和也、菜々緒、三池崇史監督が登壇した。
亀梨が、目的のためには殺人すらいとわない冷血非情なサイコパスを演じた本作。怪物の仮面を被り、人間の脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。次のターゲットとして狙われた弁護士の二宮彰(亀梨)が、怪物との対決に挑みながら驚愕の真相に辿り着く様を描く。あらゆる反響を受け取っているという登壇者陣。亀梨は「昨日両親が観に行ってくれた」そうで、「『すごくよかった。もう1回行ってくる』と母親から連絡がありました。いつもは『いついつ、自宅に行きます』とか業務的な連絡が多いんですが、久しぶりに血の通った会話ができました」と母親の反応を楽しそうに紹介。会場には「6回以上観た」という観客もいた。亀梨は「ぜひ“木こって”ほしい」とタイトルにかけた新たな言葉を生みだしながらリピート鑑賞を望み、周囲を笑わせていた。
本作で三池監督と初タッグを組んだ亀梨。司会から「また三池監督の作品に出られるとしたら、どんな役柄がいい?」と聞かれると、「ちょうどいま京都の太秦で撮影をしているんですが、そこでもスタッフの方が三池さんの話をしてくださる」と初めての時代劇に挑んでいると話し、「今回、時代ものにしっかりと馴染んで(三池監督が手掛ける時代ものに)呼んでもらえるようになったらいいなと思っています」と希望した。
「もちろん時代ものもいいですけど」と切りだした三池監督は、「個人的には菜々緒さんとお二人で、是枝(裕和)監督が撮るような映画に出てほしい。カンヌで賞がほしい。目指せ、是枝監督」と目標を掲げて、これには亀梨と菜々緒も大笑い。亀梨は「でも一緒にカンヌは行きたいですね。今回は三池さんのおかげでスペイン(シッチェス映画祭)にも連れて行ってもらえた」と同調しつつ、「ワンシーンとかだけで呼ばれると、一緒にカンヌは(無理)?」と質問。三池監督が「ワンシーンじゃ来ないでしょ!」と声を大にすると、亀梨は「全然OKですよ!契約もいろいろと変わるから、僕が判断できることも増えるかもしれません」と笑顔を見せた。一方、三池監督が「ガールズ×戦士シリーズ」も手がけていることに触れた菜々緒は、「三池さんはジャンルレスに撮られる」と印象を吐露。本作で共演した吉岡里帆からは「きゅるきゅるな役をやってもらいたい」と声をかけられたそうで、「いままでそんな役をやったことがない。タッグを組んで、私にきゅるっきゅるな役を」と期待していた。
また今年を振り返って「“怪物級”だったと思うこと」を告白することになると、菜々緒は「怪物級に成長できた年」としみじみ。亀梨は「“怪物級”に様々な顔を持った」と回答。「まだ発表になっていないものも含めて、映像作品だけでも4作品の撮影をしました。この映画のプロモーションや公開もあったり、KAT-TUNのライブ活動があったり、インスタグラムやYouTubeも始めた。(ソロイベント)『Inside 23(インサイドミー)』というプロジェクトも立ち上げて、制作としても自分で動いている。これくらいのお金や人数が必要で、この日の撮影にはお弁当が何個必要なのかと考えたりと、いろいろな顔を持ち合わせています」と多岐にわたる活動をあげ、「今年は覚悟を持っていろいろなことを始められた年。来年、再来年に向けてしっかりと整えていけたらいいなと思っています」と力強く語り、大きな拍手を浴びていた。
本作は「映画界という場所で、もっと自分が時間を過ごせるような人になっていきたいなと思わせてくれた作品」だという亀梨。「スペインの映画祭にも連れて行っていただいたり、まだまだ経験していない感覚や、もっと経験してみたい景色が、シンプルに欲として湧きでてきた。芸能生活25年経ちますが、改めて純粋な自分と向き合えた感じもあった。三池組の皆さんと時間を過ごさせていただいて、やっぱり映画頑張りたいな、贅沢だなと思った。時間を作って劇場に足を運んでくださって、スクリーンでみんなに観てもらうというのは、すばらしいエンタテインメントだなと感じました。映画っていいなと思わせてくれる作品でした」と映画への意欲を呼び覚ましてくれる時間になったという。
映画の宣伝活動にも奮闘していた、“怪物の木こり”がサプライズで登場する場面もあった。「メリークリスマス」とのたすきやピカピカ光る電飾をかけてノリノリで現れた“怪物の木こり”。肩に担いだ袋には花束が入っており、それを三池監督がプロモーションまで駆け抜けた亀梨、菜々緒に感謝を込めてプレゼント。がっちりと三池監督と握手した亀梨は「大切な作品になりました。様々な状況を抱えているなかでのタイミングでの公開になりましたが、無事に皆さんに届けられて、このような時間も設けさせていただいて、たくさんの方たちとつながることができた作品。これから先に向かうにあたって、大きく決心できるような、希望を持てるような作品になりました」と改めて本作への思い入れを語ると、会場からは大きな拍手が上がっていた。
取材・文/成田おり枝