寺田心、『屋根裏のラジャー』公開を祝って“水”で乾杯の鏡開き!冷蔵庫役で声優初挑戦の寺尾聰は「新人です」と挨拶
スタジオポノックの長編アニメーション最新作『屋根裏のラジャー』の初日舞台挨拶が12月15日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、山田孝之、寺尾聰、イッセー尾形、百瀬義行監督、西村義明プロデューサーが登壇。寺田が未成年とあって、“水”入りの酒樽で鏡割りをして映画の公開をお祝いした。
イギリスの詩人で作家のA・F・ハロルドによる「The Imaginary」を原作とした本作。想像から生まれた少年のラジャーを主人公に、イマジナリーフレンドたちによる現実と想像が交錯する世界で繰り広げられる大冒険を描く。
約6年の制作期間を経て、ついに公開を迎えた。西村は「この作品はつくるのが大変だったと思う」と切りだし、「いろいろな国の方と一緒に作ったのも、初めての経験。1本の映画が出来上がってうれしく思っています」とコメント。ラジャー役を演じた寺田は「僕が本作と出会ってから約2年。スタッフさんは、その何年も前から動かれている」としみじみ。「オーディションでこの作品に出会うことができて、そこにラジャーの1枚の絵とセリフがあって。ラジャーという存在や、ラジャーとアマンダとの関係性。そして僕にも昔イマジナリーがいたけれど、その子のことをイマジナリーと呼ぶと知らなかったので、そこにもすごく興味を持ちました。そしてポノックさんのスタジオにうかがって、作り手の皆さんが本気で作られているのを見ました。今日という日を迎えられてホッとしていますし、これからがスタートなんだと。この映画に携わることができてとてもうれしいです」と本作との出会いやたくさんの思い出を振り返り、感無量の面持ちを見せた。
また本作で“冷蔵庫”と呼ばれる老犬役として声優に初挑戦したのが、寺尾だ。寺尾は「私が、冷蔵庫です」と笑顔で挨拶して、大きな拍手を浴びた。「俳優人生のなかで声を当てるという仕事は、生まれて初めて。新人です」と目尻を下げ、「この仕事をお引き受けするにあたって、原作も読ませていただいた。僕自身のなかで一番決定的だったのは、西村プロデューサーと百瀬監督にお会いして『この人たちとやるんだったらやろう』と作品から離れた理由で惹きつけられた。『この人たちが作るなら間違いない』と確信した」と出演の決め手を告白。「自分の声で冷蔵庫に命が吹き込めていたらうれしいなと思って、今日を迎えています。とても気持ちよくやり終えました」と充実感をにじませた。安藤も「冷蔵庫、大好き」と、イッセーも「冷蔵庫の存在感(がすごい)」と愛情を傾けるなど、人気のキャラクターとなっている様子だ。
キャスト陣の言葉に「ジーンときていた」という百瀬監督は、「この作品の見どころは、挙げていくとキリがない。それほど想いを込めて作りました。この作品と、ラジャーをはじめとする登場人物たちを好きになってもらいたい。楽しんで堪能していただけたならば、最高の気分です」とにっこり。「キャストの方はキャラクターにハマっているというよりも、ハメてくれたんだと思っています。それくらい存在感を持って、肉付けされたキャラクターにしてくれた。演技によってこの作品に説得力を持たせてくれたことに、感謝しています」と熱っぽく語っていた。
最後には、大ヒットを祈願して鏡開きを実施。「練習」と言われたものの、本番だと勘違いした山田がフライングして大慌てとなるハプニングもありつつ、寺田の「せーの!」との掛け声と共に「ラジャー!」とにぎやかに鏡割り。みんなで「カンパーイ!」と枡に入った水を飲み干した。ラジャーやイマジナリーが教えてくれることはたくさんあると話した寺田は、本作から受け取った気持ちを「忘れないでほしい」と呼びかけてイベントを締めくくった。
取材・文/成田おり枝